No.158 「臨機応変(プロセスも大事だが、結果を出すのはやはり素晴しい…)」
2010(平成22)年7月号掲載
「共産主義が崩壊して民主主義に転換したロシア」、「社会主義国家:中国の自由経済」、「ワールドカップ大会直前で堅守速攻型に切り替え結果を出したサッカー日本代表チーム」(!?)。
大国の体制変化と我が国のサッカーチームを並べるのも乱暴ですが、ものごとは変化の中にこそ「ダイナミズム」が生まれるのだとつくづく感じています。
先日、ロシアのサンクトペテルスブルクとモスクワを駆け足で訪問しました。
リーマンショック以降、経済成長も一服していると聞いておりましたが、皆が短い夏を楽しんでいるということを差し引いても街は想像以上に活気に満ちていて、1人当たりGDP等の単なる経済指標では計り知れない、人々の躍動感と歴史を含めた奥深さを感じてきました。
急成長を果たした中国もそうですが、大国というのは皆、何かを受け入れ、自らを変化させる知恵と勇気、そして体制を動かす大きなエネルギーを備えているのだろうと感じます。
さて、ワールドカップも終わりスペインの優勝で幕を閉じました。
華麗な攻撃が自慢のオランダ、スペイン両国の決勝戦はとても興味深いものでした。
しかし、ゲームが始まると初優勝への執念がそうさせたのか、イエローカードが乱れ飛び、延長戦に突入、華麗さとは程遠い死闘の様相でした。
日本代表も本戦前の不調から、このままでは通用しないという現実を受け入れることで、掲げた理想を封じ、シンプルに結果を出すことに執着したことでそれを見事に導き、多くの人々に感動を与えたのだと思います。
特に資源もない日本は、多くの先達がものづくりの付加価値を高めることで世界有数の工業立国となりました。
しかし、他のアジア諸国の台頭により、その地位は年々低下しているのは周知の事実です。
そういう事実や変化を受け入れる知恵と勇気が、この大転換期を乗り切っていくためのパワーの源になるので
しょう。
結果を求めて、結果を出すために正に臨機応変に。そんな風に我が社もあらねばと思います。