No.150 「熱くさせるもの」
2008(平成20)年8月号掲載
この号がお手元に届く頃には、8月8日開催の北京オリンピックが盛り上がりを見せているのではないかと思います。
(実際、如何でしょうか?)。
今回も様々な競技で熱戦が繰り広げられ、選手の皆さんは、我々に感動を与えてくれることでしょう。
こと仕事においても心が熱くなる仕事を手掛けてみたいと願うのは、誰しもに共通のことではないでしょうか。
感動し心が熱くなるとは、物事に熱中し困難を乗り越え成果を得られた場合に個人から「熱」が沸き上がってくるのだと思います。
経営者として、出来るだけ多くの社員に、より若い世代に成功体験に基づいた感動を与えてあげたいと願っています。
が、正直言って、全員がこの「熱」を発する社員というわけではないでしょう。
ですので、可能性の高い人材を上手に見極め適切な業務配置することが重要であり、そしてこれらの人たちが新たに熱を発することで、
会社の建設的な文化を育み、会社全体が力量を上げていくことに繋がるのだと思います。
やや愚痴っぽいですが、とかく最近の若い人は何でもスマートにこなそうとする傾向が強いので、不恰好でも構いません、
もっと泥臭く、結果に対して貪欲にギラギラしていて欲しいと感じるのは、私だけでしょうか?
さて「熱」といえば、米国ではここ数年住宅価格の上昇が消費経済を熱くさせ、好況のエンジン役を果たしてきましたが、
「過ぎたるは及ばざるが如し」と申しましょうか、その後半部分では、米系大手金融機関が仕込んであったサブプライムローンで更に加熱し、
結果はご覧の通りとなりました。
日本の不動産バブルと根本は同じ現象だったのにも関わらず、米系ハイテク金融企業が金融テクニックを駆使し、
世界中にリスク分散を図った為に本来検知されるべきリスクが感じられなくなったことで、同じ轍を踏んでしまったように感じられます。
世界的に原油価格をはじめ様々な物価も熱くなってきています。
ガソリン価格もビックリを通り過ぎる位の価格帯に入って来ました。
どうも我々日本人はここ最近デフレに慣れてしまっていたのか、物価上昇に対して戸惑ってしまうようです。
仕事では熱くなりたいのですが、この辺りは是非とも熱くならないようにお願いしたいものですね。
インフレファイターたる関係当局の皆様方が、熱く戦って頂けると信じております。