No.145 野球?サッカー?
2007(平成19)年4月号掲載
このシングルorダブルは、今号からは前社長から私が引き継いで参ります。
名前がバーカウンターでのやり取りに由来したこのコラムを、お酒の飲めない私が引き継ぐのもなんですが、それも一興とひらにご容赦ください。
今回は少し堅めの話を。
「サッカースタイルの経営」、「野球スタイルの経営」どちらが良いのか?という議論はよく耳にします。
どちらも、良し悪しがあるのですが、最近は変化に強いとされるサッカースタイルが優勢のように思いますし、かく言う私もサッカースタイル派です。
野球は、ゲーム中の監督の指示に忠実に従いゲームを進めます。
また、絶対的な「エースで4番」がいれば、試合に勝ててしまうこともあります。
企業でも、会社の黎明期や外部環境に変化が少ない場合は、野球スタイルのような「指揮命令型」の方が効率が良いと思いますし、
勿論、今日のマツウラがあるのも、エースで4番のような存在が業容の拡大時期に正に原動力になってくれたお陰だと思います。
しかし、時代も変わり、マツウラも少しだけ所帯が大きくなりました。
喜ばしいことですが、我々はメーカーとしての総合力が問われるステージに立っています。
現在の経営環境はより複雑で、お客様のニーズはより多岐に渡り、解決しなければいけない問題は絶えず複数存在し、
加えてそれらはこれまで経験したことのない問題ばかりです。
解決するのには、従来の発想にはない創造力も要求されます。
とてもトップダウンの野球スタイルのみで賄い切れるものではありません。
今、マツウラが標榜するのは、「共有する基本的な戦略方向性に従い、局面での攻防は各プレーヤーが独自の判断・創造力を発揮、
それに組織が連動・呼応する企業」です。
完璧に実現できれば夢のような話でありますが、実践する為には「戦略ベクトルの共有化」が必須と言えます。
創造性豊かに個人が能力を発揮する為には、経営層が戦略を絶えず明確に発信し続け、社内にコンセンサスを醸成しておく必要があります。
マツウラはこれからも、お客様に愛される機械屋でありたく、日々精進して参ります。
今後ともご愛顧のほど宜しくお願い致します。