No.129 元気な企業の共通点
2004(平成16)年1月号掲載
昨秋以降「景気は上向いた」と政府要人やマスコミ、そして株価も異口同音に語っています。
確かに私も、実感として感じていますし、昨年秋から年末にかけ国内市場をつぶさに見聞した結果でも、裏付けられました。
ところで、これら好況著しい企業には、次のような共通点があるように思います。
まず「中国市場に係っている企業」です。
工作機械業界も、2003年の受注額を年初から大幅に上方修正。
これも中国市場が大きな牽引になっています。
建設業界も中国の建設ブームで活況ですし、繊維機械の一社など生産の90%が中国向け。
産業空洞化で日本は、普及技術による製造業が残らず、中国市場とどうアクセスするかが、大きな鍵になっています。
次は「デジタル家電」。
昨年12月、国内で地上デジタル放送が開始されたことが追い風となり、プラズマや液晶のフラットパネルなどの関連で、関西が急上昇。
松下・三洋・シャープなどデジタル家電関連は勿論、携帯電話の高機能化や超寿命化なども加わって、
新基盤への技術革新が起こってきました。
これらは個人消費に密着の商品群だけに、新しい購買意欲を沸かせています。
さらに「新商品開発企業」です。
「新しいこと」「今までとは相異していること」をやる、新商品、新技術の開発に挑んでいる企業群は、あらゆる製造業に共通です。
例えば繊維大国福井も、前号で延べましたが、衣料用から土木資材や自動車内装材など新分野を開発。
それらは日本のトップ産業に急成長しています。
工業出荷額が小さい福井で、こういう状況ですから全国では、大きな動きになっていることは、間違いありません。
これら共通点のいずれかに、どのように係わっているか、どうかが、厳しい状況下から抜きん出て元気に急伸している企業像といえましょう。
私達も、こんな共通点に係わるようなビジネスへの展開を図り、さらに努力を積み重ねて行くのが、今年最大の課題と考えています。