No.106 i モードが日本を見直す
2000(平成12)年3月号掲載
スイスの田舎町ダボスで、今年1月に開催された国際会議。
席上、日本の高官が最後に話された「日本の携帯電話加入が、5,500万台を超えた」ことが、大きな話題になりました。
この話しは、たまたま2月に渡英した時にも、英国駐在の親しい友人から直接、伺いました。
友人は「人口が1億2千万人の、ほぼ半数が携帯電話を持っている事に彼らが大きな衝撃を受けたこと、その普及スピードと変化を求めている日本のパワーに、改めて驚いたこと」の2点がポイントとのことでした。
この普及スピードに拍車をかけたのが、NTTドコモのi モードサービス(昨年2月開始)です。
i モードのユーザーは実に簡単に、インターネットへの接続ができ、e-mail、チャット、ゲーム、星占い、カレンダーさらには利用者への興味にあった情報など、常時4,000にも上るウェブサイトへのアクセスが可能な優れ物。
その使い易さや便利さが受けて、この2月末にi モードのユーザーが、440万人に達したのではないかとも言われています。
このサービスを取り込んだ携帯電話は、単なる電話機能から情報端末として、生まれ変わったことに大きな意義があります。
これがパソコンの分野まで、大きく凌駕しつつあるところに、ダボスの出席された方々に直感的な衝撃となったのでしょう。
手の中にスッポリ入り、片手で、それも親指だけで操作できる小さな情報端末機器。
これにi モードサービスを取り入れた、日本のソフトウェアや物作り、そんなずば抜けたパワーが改めて脚光を浴び、見直されたのでしょう。
日本の物作りである極小化・軽量化・超精密化・高機能化などのキーテクノロジーが如実に物語っている、具体例です。
NTTドコモが始めたi モードサービスが起爆剤となって、世界中に伝播しているIT革命の中で、日本が先頭を走ることに、さらなる確信がもてた今日この頃です。