No.149 蚊帳の生産量日本一 2008(平成20)年8月号掲載


 福井は日本のド真ん中!「日本のヘソ福井」第149回目は「蚊帳の生産量日本一」の話です。

 子供の頃の遠い記憶で、暑い夏の日に寝床に蚊帳が釣ってあり、蚊帳に入るとき「大きく開けて入ると蚊が中にはいるから、 さっと入りなさい」と母の声をかすかに覚えています。
そんな蚊帳の生産で国内シェアナンバーワン(90%)を誇る会社が福井市下東郷にあるタナカ株式会社です。
歴史を振り返ると福井は蚊帳の三大産地であったとのことです。
越前(福井)は、徳川時代より良質の麻糸の産地で、越前の麻がやは、近江(滋賀)の麻がや、大和(奈良)の綿がやと並び日本三大蚊帳の一つでした。

 蚊帳の生地は麻と綿を使う伝統的な蚊帳から、ナイロン製で丸洗いできるものまであります。
同社の目玉商品は、抗菌・防臭加工を施し、花粉もキャッチできる“ハイテク蚊帳”。
また蚊帳は地域によって色も違いがあり、九州・沖縄ではブルー、中国・四国・近畿では上が白で下がブルーのぼかし、 愛知県や福井県より東の地域は緑色に赤いヘリが付いているなど、文化の違いで様々な種類があり、同社では全てラインナップを揃えているとのことです。

 現在、クーラーの風で神経痛や自律神経異常に悩む人、アレルギーやアトピーの人、赤ちゃんのいるご家庭などで、 日本の伝統の蚊帳が、大いに見直されているとのことです。
家族が一つ蚊帳の中で枕を並べて休むレトロを懐かしんではいかがでしょうか。