No.129 甘エビ
2004(平成16)年3月号掲載
福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第129回目は、今や越前ガニと並んで代表的な味覚となっている「甘エビ」の話です。
この甘エビ、刺し身としてわさびしょうゆで食べると、何ともいえぬ“甘味”があり、大変に美味なことから“甘エビ”といわれています。
また、寿司種にもなくてはならない水産物です。
ホッコクアカエビの北陸における地方名で、新潟や北海道では、ナンバンエビと呼ばれています。
福井県内の水揚げ港は、三国、敦賀、越前海岸ぞいの各港で、第2胸脚だけがハサミになっている、タラバエビ科の一種。
寒海系のエビで冬季は生息深度250m以下。
夏季は600m以下の大陸斜面に生息しているが、ホッコクエビやアカエビとは別種。
体長は10cm内外。生時体色は赤紅色。寿命は6〜7年で、生後2〜2.5年目まで雄、その後4年まで中性、4年夏に雌に性転換。
だから卵を持っている個体は、すべて大きく、1匹あたり1,200〜2,300粒の卵を抱きます。
漁場でとれた甘エビは、船内で急速冷凍で加工し三国などの市場に陸揚げされ、市場でせりにかけられ福井をはじめ、
金沢、大阪、名古屋方面へ発送され、料理店、すし店、ホテルや旅館、民宿、温泉地や一般魚店から消費者へ。
甘エビの“甘さ”は何とも表現できない“美い”“甘い”“旨い”を三乗したようなもの。
一度食べたら忘れない“福井のうまさ”です。
殻ごと塩焼き、空揚げ、うす味のうま煮のほか、汁物・鍋物・茶碗蒸しなどにも。
“越前ガニ”と並ぶ福井の代表的水産味覚を、あなたもぜひ、一度ご賞味あれ―。