No.120 日本初の工業系試験研究場 2002(平成14)年9月号掲載


 福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第120回目は「日本初の工業系試験研究場」の話です。

 福井県の産業振興・工業技術発展の中核的な役割を担う福井県工業技術センターが、 今年5月で創立100周年を迎えました。
明治35(1902)年4月に農商務省令の許可で、日本初の工業試験場が設立されて以来、 このセンターは我が国最古の歴史をもつ工業系の地方公設試験研究機関として、 時代の変化に機敏に対応してきました。

 創立当時わが国は、繊維産業の発展が急務であったことから、福井を始め6府県の機業関係者に、 繊維産業の振興を助成。
一方、手工業的なものから新しい技術や機械による方法への転換を図る一手段として、 工業系試験研究機関となる工業試験場の設立を、福井県が提唱。
結果、福井市に設置されました。

 設立以来、時代の要請に応じて、工業試験場から繊維工業試験場への改称、窯業試験場、 工芸指導所という新たな産業別試験場の設置や、 その再編統合など幾多の変遷を経て昭和60(1985)年、現在の工業技術センターに――。

 本センターは、県内企業のいろいろな技術的要求に応えるため、 繊維・眼鏡・機械・金属・電子・化学・窯業など12分野において、 研究開発・依頼試験・設備利用および指導・相談などの技術的支援を行っています。

 今から100年前、他県に先駆けた福井県の進取性は、ここでも遺憾なく発揮されています。