No.114 解体新書・蘭学事始
2001(平成13)年9月号掲載
福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第114回目は、「解体新書・蘭学事始」の話しです。
西洋医学の先導書となった「解体新書」は、福井県は小浜藩医・杉田玄白が中心となって、
オランダの解剖書「ターヘルアナトミア」を日本語に翻訳したもので、
我が国の近代医学史・文化史上に画期的な業績を残しました。
杉田玄白(1733〜1817年)は、小浜藩医の杉田甫仙の子として出生。
幼時を小浜で過ごし1749年、江戸の医師西玄哲に入門。
1754年に京都・山脇東洋の解剖を耳にし、1771年、オランダの解剖書「ターヘルアナトミア」を購入。
小塚原で罪人の腑分けを見学した時、その正確さに驚き、日本医学のために翻訳を決意。
4年余りの歳月を経て、中津藩医の前野良沢、小浜藩医の中川淳庵らと協力して翻訳を完成させ、「解体新書」として発刊しました。
この「解体新書」は1776年の公刊いらい、日本の近代医学のバイブルになり、今日に至っています。
また杉田玄白は晩年、蘭学を中心とした医学者として難事業を完遂されたことなどを、取りまとめた「蘭学事始」を著作。
若い頃から寝食を忘れて医学に没頭。
医者ながら不摂生を余儀なくされたはずなのに、齢85才という、当時としては超長寿を全うされました。
200余年も前の、素晴らしい福井人の偉業を、今ここで再認識した思いです。