No.108 波の浸蝕による洞窟・奇岩の「蘇洞門(そとも)」
2000(平成12)年9月号掲載
福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第108回目は、波の浸蝕による洞窟・奇岩の「蘇洞門(そとも)」のおはなし。
天下の景勝地として福井県には、あまりにも有名な「東尋坊(とうじんぼう)」があります。
この東尋坊が福井の北方・越前に位置する海岸の名勝地なら、
福井の南方・若狭に位置する海岸の波の侵蝕による洞窟や奇岩が連なる「蘇洞門」も、負けない景勝地です。
蘇洞門は、小浜湾の東側にある内外海(うちとみ)半島北側の海岸にある海蝕洞で、花崗岩が日本海の波の作用で削られて出来たものです。
内外海半島北側の海岸は、このようにして形成された奇岩・洞門・洞窟などが6kmにわたって続き、豪壮な景観をなし、
若狭湾国定公園を代表する景勝地となっています。昭和9年、国の名勝に指定。
蘇洞門の基地となっている小浜は、中世以降日本海側を代表する港として、北海道から九州に至る広範囲の交易船や外国船が数多く出入港し、
海路にたずさわっている人達からも、楽しみな港町でした。
また小浜の歴史は古く、宮中へ食材を送る古代の「御食国」の時代から、奈良・京都との交流も盛んで、
今では「都の文化」が神社・仏閣や伝統行事などに数多く残されています。
別名「海のある奈良」といわれる歴史ある町、小浜と合わせて注目されています。
船による蘇洞門めぐりと、散策による歴史巡り──で、福井の別な角度から楽しまれては。