No.104 天下の三大珍味「越前うに」 2000(平成12)年1月号掲載


 福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第104回目は、肥前のからすみ、知多のこのわた、 にならび天下の三大珍味といわれる「越前うに」の話しです。

 戦国時代以前から栄養価も高いことから、越前うには兵糧として常備され、越前藩主や幕府、 朝廷への献上品として、貴重品として用いられてきました。
用いられるのは、越前浜の岩礁にすむ、バフンウニ。
ウニの漁期は7月20日から8月15日までとなっており、1年分のウニをこの間に仕込もうと、海女や漁師は海へと繰り出します。

 獲りたてを浜でさばき、海水で洗ったウニの卵巣をゴザにのせ、上から塩をまいてコロコロと転がし、 水分が落ちて固く締まったウニを一昼夜陰干しし、木樽に入れて冷蔵庫で半年ほど寝かせて待つ。
年明けあたりには、味がまろやかになって食べごろになるというもので、この季節にはもってこいの逸品。
時代が変わっても、2000年への大台乗せになった今日でも、広く愛用されるロングなベストセラーの福井県産の一品。

 福井の地で生まれた、「酒解」「宙の華」や「石田屋」「しずく」などの土地の銘酒をかたむけ、 それの酒肴に一度くちにすれば、忘れられない珍品です。 「越前がに」は勿論ですが、福井の今が正に「うまい旬の時」です。
冬の福井を、「越前うに」で一度おためしされては如何でしょうか。