会長 松浦 正則


【アジア化する日本の将来】

 急速に進むアジア化の波は、我が国経済はもとより、世界経済を牽引しております。
 また2桁に近い成長率で中国旋風を起こしているのはご存知の通りです。
 そして東アジア市場は世界人口の40%強を占める巨大な規模になり、今も成長を続けております。
 いまや13億人を超える中国、11億人のインド等を目指して、世界中の企業がこの地域に巨額の投資を続けており、周辺国まで好影響が出ているのです。

 しかし、JIMTOFで私の友人から我が業界にとって驚くべき情報をもたらしてくれました。
 それは「中国は、第12次5ヵ年計画を策定し、我が業界の基幹部品であるベアリング・ボールネジ・ローラガイド・CNCの特許公開や、ノウハウの移転等、2012年には必要とされる内製化率70%の達成を求め、殆どの機種を網羅すべきだ」と発表しており、このままでは、我が業界の根幹を揺るがすのは間違いありません。
 幸い自動車業界に見られる新しい省エネ/ 環境対応等について日本は、常に先頭を走っており、今後もトップを走り続けてくれると期待しております。
 これには、材料革命が伴うことが必須です。特に自動車部品は強度を維持しながら1/3 の軽量化が進められており、それが炭素繊維の利用で、その加工を容易に出来る新技術が求められており、ここに新しい市場が出来ると確信しております。

 また、日本の自然、歴史、文化などに農耕型の育てる哲学は、ものづくりにも生活レベルで生かされており、これがこれからあらゆる部門での基盤になります。
 特に介護の領域は、精神的な支えは家族であり、それを可能にする介護スーツロボット等、家庭介護に必要な新しい道具が求められているのです。
 これは、産学官でお互い知恵を出し、人にやさしいソリューションの開発が治療現場で求められているのです。

 最後に、リーマンショック以来、丸2年が経ち、3年目半ばになり、これ迄の生き方、ものづくりを全て否定し、新しい目標を高く、独自性を持った他者にまねの出来ない、そして日本人特有の気遣いで使いやすいソリューションを生み出し、提案する事こそ、弊社の存在があり、社会的使命と肝に銘じております。


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