コーヒーブレイク
はやぶさ
小惑星(イトカワ)の岩石採集に挑んだ宇宙航空研究機構(JAXA)の探査機「はやぶさ」が6月13日夜、オーストラリアのウーメラ砂漠に無事帰還した。
平成15年5月の打ち上げから約7年、総航行距離約60億キロにも及ぶ長旅であった。
これまで人類がサンプルを持ち帰った天体は月だけです。
自律的に小惑星に近づき、その表面からサンプルを持ち帰った「はやぶさ」の帰還は世界初の快挙です。
しかし、「はやぶさ」の旅はトラブルの連続でした。
打ち上げ直後、4基あるイオンエンジンの1基の不調が判明。イトカワ着陸前には、姿勢制御装置3台中2台が故障。
着陸直後には燃料漏れがきっかけで通信が途絶。復旧した後も12台の姿勢制御用化学エンジンすべてが故障。
研究者チームはその都度知恵を絞り、ピンチを切り抜けてきました。
「はやぶさ」のエンジンは「イオンエンジン」という新型のエンジンで、キセノンという気体をイオン化し、電気的に加速して噴射するものです。
このエンジンの力は地球上では一円玉をやっと持ち上げるくらいの推力ですが、宇宙空間では、時速5,000キロまで加速出来ます。
それと「スイングバイ」という航法の組み合わせで、数十キロの燃料でイトカワに到着出来ました。
「スイングバイ」航法とは、天体の重力を利用して、探査機の燃料を使用せずに軌道の方向や速度を大きく変える技術で、イオンエンジンとスイングバイの組み合わせは世界初の試みでした。
「はやぶさ」では、様々な世界初の試みが行われ成功を収めました。
本当にすごいことであり、回収されたカプセルは小さいが、世界に誇れる偉大な功績ではないでしょうか。
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