会長 松浦 正則


【新産業革命】

 今回は、日本、米国に比べて低迷していると言われ先が読めない欧州市場を自分の肌で調べてみる為、EMOミラノの前 2 週間約2,000Km を自動車で走り回りました。
 訪問したのは、ドイツ、オランダ、ベルギー、スイス、イタリア でした。共通して言えることは、総じて自動車産業の割合が高い国程、痛手を受けており、しかも輸出型の企業が低迷しています。
 丁度自動車メーカーの再編成が進み、オペル、ボルボ、サーブ、ジャガー等名門メーカーの勢いがありません。
 その上、東ヨーロッパと言われたポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア等へ自動車産業を移す為に多額の投資が行われ、その債務が焦げ付いている様で、二重三重の重荷を背負っている為に、資金の流れが極端に悪くなっています。
 しかし、ジョブ・ショップと言われる規模の小さい企業は、借金までして投資をしておらず、自己資金を貯めてマイペースで計画を進めており、直近では、15 〜 25%仕事量は落ちていますが、実に健全に経営がなされています。
 その結果、今少し先行きが見通せれば設備投資を進める様で、来年の後半には実需が 70%(対前年比)迄に回復すると明言されたのが、大変心強く思っている次第です。
 特にドイツのユーザーの反応は良く、メルケル首相派が今回の選挙で大勝したのを歓迎して、積極的な経済政策を打ち出して実行するのでは、と大きな期待をされているのが印象的でした。

 しかし、これも希望的な見方かも知れず、ましてや今回のグローバル化が一段と進む中で強烈な技術革新が進み、新産業革命とも言われる強烈な波が世界中を同時に巻きこんでいます。
 そして、これまでの業績が続くことはあり得ないと言われ、ボリュームも 60 〜70%まで戻れば上出来でしょう。
 如何に世界に通じるオンリーワン商品を時代に合わせ、ユーザーニーズに応えることが出来るかが正念場であり、一日も早く体質を変えることこそ肝要です。


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