会長 松浦 正則


【遠い親戚より近くの他人】

 この度中国の東方三省の主要都市である大連市、瀋陽市そして第17回北東アジア経済フォーラムが開催された天津市を訪問する機会をとらえ、サブプライムローン問題から端を発した世界的な金融危機に対しどの様な状況なのか確かめてみました。
 但し今回は、北陸経済連合会の答礼訪問団であり、お会いした方々は各市の人民政府、そして開発区等の官僚の方々が多く、一般の人達との出逢いは食事の時間等を利用したり、町並みを見ながらバスガイドさんや通訳の人達との会話が主でした。

 先ずは、今回の金融危機の影響について尋ねたところ余り切実感はありません。
 国家計画に基づいた大規模な工業地域の開発等の内なる要因が成長期にあり、港湾等の施設の完成にともない企業誘致にも熱心で、トヨタ、モトローラ等世界的規模の企業が進出を決めており、内需をベースにした流れは実に落ち着いた景況感が感じられました。

 特にサイエンスパークでは日本のアニメーションの仕事が盛んでベンチャー企業が政府から素晴らしいオフィスを安価で借りることが出来、若い学生達がコンピュータ画面に顔をくっ付ける様にして仕事を進めており日本に追いつき追い越せの強烈なパワーに圧倒されました。
 今ひとつは、対応して頂いた責任者の人達は男女を問わず若い30 〜 40 才台の人達が実に明快に自信を持って中国の将来計画や各都市の開発の詳細を説明頂き、実行の主役として活躍しているのが印象的でした。
 特に大連市は人口600万人を超える大都市であり、日本と繋がりも深く富山から直行便で2.5時間と将来は日帰りでもビジネスが出来る好位置にあります。
 また街中でも自転車やオートバイも少なく道路も広く昔ながらの旧日本占領時代の建物が使われており身近に感じたのは私一人ではなかったと思います。

 いずれにしても21世紀は世界最大の人口を持ちBRICs の中でも既に一番先頭を走り、飛躍的に市場を形成しつつある中国とは、積極的に往来し、時間をかけてお互いの立場を充分理解しウィン・ウィンのビジネスと文化交流を築き上げることこそ肝要なのです。




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