コーヒーブレイク


「勝負脳」

 北京オリンピックで日本競泳チームが多くの選手が自己新記録を更新し、5 個のメダル を獲得。そして北島康祐選手は世界新記録で金メダルを獲得しました。
 北島選手は2004 年のアテネオリンピックの金メダル以降スランプにおちいっていましたが、見事復活を遂げました。もちろん肉体的トレーニングは当然ですが、脳神経外科医である林成之氏が「脳の本能」を利用して組織作りや上手な記憶方法を生み出し、チームに伝授して飛躍的に効率を上げました。
 林氏は、ここぞと言う場面で最高の力を発揮できる脳の素晴らしさを「勝負脳」と呼び、その「勝負脳」の鍛え方を『ビジネス〈勝負脳〉 脳科学が教えるリーダーの法則』( ベスト新書) で紹介しています。

 「リーダーに不可欠なのは、脳の仕組みと機能を理解することです。やみくもに精神論や根性を振り回しても、脳の仕組みが動かなければ“心”が動かない。“記憶”にも残らないし、“意識”されることもありません」と述べています。
 「脳が持つ三つ本能を“生きたい”“知りたい”“仲間になりたい”であり、人間はこの三つの本能を満たす為に、行動し、社会を作り上げている。これらに反する行動や方針は組織の円滑な運営を阻害し、働く人達の能力を妨げ、最終的には組織を破壊させる方向に動きます。なぜなら、それは脳が欲するものではないからです」と。

 人間の「仲間になりたい」という本能はとても強く、同じ会社、同じ国の人に対して親近感を持ち、好きになる傾向があります。
 林さんはご自身が務める救命緊急センターチームで4 つの条件を提示しています。 @前向きで明るい性格でいること、 A仲間の悪口を言わない、 B面倒見のいい人格を持つこと、 C「疲れた」とか「難しい」とか「出来ない」といった“否定語”を使わないことです。するとそんない良い仲間と離れたくないので一緒に頑張ろうという気持ちが強くなり、チームパフォーマンスが上がったそうです。


前画面へ戻る