こんなユーザー No.106
部品製造の他に、独自ブランド商品を追いつづける
─ 株式会社 ウラテツ機械─
株式会社ウラテツ機械の概要
住 所
〒910-0851 福井県福井市米松2丁目13-5
TEL:0776-54-2246
FAX:0776-53-8233
代表者
代表取締役社長 浦 岩生 氏
創 業
昭和39年6月
設 立
昭和51年7月
従業員
12名
ホームページ
http://www.fukui-iic.or.jp/kosha/gu0229.html
事業内容
精密部品加工、自動機・専用機の治工具製作、立削盤(スロッター)、ミーリングチャックの製造販売
工場全景
「マツウラのMC-1500Vが3月には納入します。 これでマツウラのマシニングセンタは6台目になります」と嬉しい言葉で取材に応じて頂いたのは社長の浦岩生氏です。
株式会社ウラテツ機械は、マツウラ本社から車で10分ほどの福井市中心街にある住宅地域内に位置しています。
代表取締役社長 浦 岩生 氏
同社は、現在社長浦氏が昭和39年に創業。
浦氏は大手工作機械メーカ―に7年余り勤め、旋盤加工、フライス加工、更には研作加工に従事し、あらゆる加工技術を修得されました。
「当時仕事をしている多くの仲間は独立を目指し、貪欲に仕事していた時代。 私もその一人として、加工技術を修得し昭和39年に汎用旋盤2台で創業しました、今で言うベンチャー精神が旺盛な時期でした。 始めはディーゼルエンジン関係の部品製造がメインで、その後大手電気メーカーの専用治工具製作、また工作機械関連の部品製造と取引先を伸ばしていき、 現在は新規として洗浄機メーカーとの取引を始め、ステンレス材と樹脂材の加工も多くなっています」と浦社長。
マツウラとの出会いは汎用フライスVC1800
「マツウラの初めての機械導入は、汎用フライスVC1800でした。 現在も現役で活躍していますが、このVC1800を使った時に、"これは良い機械だ"と感じ、その後汎用機VC1000を導入。 そして昭和60(1985)年5月にマシニングセンタの初導入としてMC-760V2を設備しました。 それ以後平成2(1990)年MC-1000V7、平成7(1995)年MIN-VP、平成10(1998)年MIN-VP、そして平成16(2004)年にMC-1000VGを導入。 全てのマシニングセンタは、マツウラ製となりました。 この間に2台のGibbsCAMも導入して中心設備は全てマツウラ製となりました。 取引先からは、短納期の製作また生産効率向上によるコストダウンなど、様々な要望が出されます。 従業員の知恵とマツウラのマシニングセンタが答えてくれますので、製品の信頼向上に大いに貢献しています」と。
また「福井県内では大型のマシニングセンタは少ないので、加工エリアを確保するためにも、今回MC-1500Vを設備して仕事の範囲を広げ、ウラテツ機械の特長を出せると考えています。 しかし立形マシニングセンタは、汎用機化していますので、将来はワンチャッキングで加工できる5軸加工機が必要になっていくと考えています」とマツウラが提案している5軸加工に対しての期待ものべられました。
現役で活躍している汎用フライスVC1800
自社製品を持つメーカー企業へ
浦氏は、"部品製造だけではなく、いつかはメーカーとして自社製品を持ちたい"と常に考えて、長年工作機械に係わった経験を基に社長自ら立削盤(スロッター)の設計を手がけ、念願のメーカーとしての顔を持つことになりました。
この機械は、モータ等のプーリシャフトにキー溝を彫る時に使用されます。
現在までに100台以上の出荷をしていますが、歯車が機械部品として使われる頻度が減り、この機械の需要は伸び悩んでいるとのことです。
浦氏は、常に新しいことに挑戦されるアイディアマンです。
次なる挑戦を始められ、先日新商品としてマシニングセンタに使われるミーリングチャック、商品名「MCメイト」を開発し、販売を4月頃から開始します。
同社では、マシニングセンタを使用していますが、工具長が長くなり工具交換時に問題が発生したり、また重切削する時に剛性が足らないと感じる場合がありました。
浦社長は、その問題を解決したいと考え、構造を工夫し、また自ら図面を引いて、この商品を完成させました。
特許も2件出願し認証も得ています。
特長は
1) 従来のミーリングチャックより短く、重量が軽くて切削力に優れています。
2) 工具交換用の溝と締付ナットを一体化し剛性が向上しています。
3) 締付けても取付けられた工具に上下移動がありません。
「大手工具メーカーにもアプローチして販売チャンネルを模索しています。 将来このチャックも含めて、自社ブランドの商品が3,4割を占める企業にしたいと考えています」と夢を語る浦氏でした。
稼動するマツウラのマシニングセンタ
浦社長開発のMCメイト
マツウラニュースで多くの企業を取材しました。
その中で、部品製造だけでなく、自社ブランドを持ちたいとの声がたびたびありました。
しかし、希望はあっても実現には至らないのが現実です。
今回の取材で、浦氏の常にアイディアを求める姿勢が自社ブランドを生み出す源と感じました。
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