5軸加工システムで実現する生産革新


 マツウラでは、5軸加工に着目して、1991年より5軸制御立形マシニングセンタMAM72シリーズを開発、市場に展開してきました。
MAM72シリーズは単に5軸加工機としてではなく、多面パレット(32パレット、40パレット、180パレット)を標準装備した画期的な加工システムです。
現在全世界で多数のMAM72シリーズが24時間365日フル稼動しています。
長年5軸加工機を開発、販売してきたノウハウを紹介いたします。

◆ 5軸機の優位性

 5軸加工機の3軸加工機とは異なる優位性を説明します。

1) 段取り時間の短縮、加工精度の向上(ワンチャッキングによる多面加工)

 複数面を加工する部品の場合、従来は各面ごとに段取りかえが必要でした。
ワンチャッキングによる多面加工を行えば段取り時間を短縮でき、段取りかえによる取付け誤差が無くなり加工精度の向上が計れます。
また、段取り治具の製作費も削減できます。
光学機器関連部品航空機のバルブ部品


2) 加工時間の短縮、切削能率の向上

2.1) ボールエンドミルによる高能率加工(面粗さ向上・工具寿命の延長)

 3軸加工では先端での切削速度がゼロになってしまうために、底刃での切削面はむしれ状態になります。


2.2) 深いリブの加工

 加工ができない程深いリブの加工ができるようになります。傾斜することで、短い突き出し量での加工が可能になります。


2.3) 深彫り加工(工具費削減、剛性アップ)

 工具長の長い刃物や特殊なアタッチメント工具が不要、標準的な刃物で加工ができます。


2.4) ボールエンドミルからストレートエンドミルへ(ルールドサーフェース加工)

 主軸に対して加工面の方向を自由に制御できるために、ボールエンドミルでの点接触切削に比べてストレートエンドミルでの側刃切削を行え、 切削時間の大幅な短縮が可能になります。


3) 同時5軸加工

 3軸加工では不可能な高度な加工が、同時5軸加工により可能になります。
インペラメビウスの輪


◆ 無人化運転への対応

 マツウラは、単なる5軸加工機で終わらず、更に付加価値をつけるために無人運転を可能にするパレットシステムを盛り込んでいます。
特にMAM73-3VS/35V/3Vでは多面パレット(32パレット、40パレット、180パレット)を標準装備して、日替わりメニューの変種・変量加工に対しています。
製造現場を取り巻く環境の変化のスピードは今後も、益々速くなり、それに適応できるシステムが求められます。
マツウラは5軸+多面パレットステムが、その解決の一つと考えています。
また大型ワークに対応するMAM72-63Vでは2面、6面、さらにはリニアパレットシステムを採用した多面パレットも準備し長時間無人運転を可能にしています。

MAM72-35VMAM72-63V PC2


4) 5軸加工に必要とされるCAMシステムの提供

 5軸加工機の稼動率は、CAMシステムの能力に大きく依存します。
マツウラでは、長年生産支援システム事業部で数々のCAMシステムを取り扱ってきました。
特に5軸加工に関しても、加工現場に最適なCAMシステム提案ができます。

「CAMシステム」
GibbsCAM、EUKLID、PowerMill、hyperMILL
「シミュレーションソフト」
VERICUT


シミュレーションチェック例(1)
シミュレーションソフト(VERICUT)による干渉チェック

VERICUTシュミレーション実機での加工(MAM72-63V)

 5軸加工に対応したCAMシステム、シミュレーションシステムの操作性や機能の向上により、5軸機は、以前に比べると特殊ではなくなっています。
また5軸機の導入は、加工現場の挑戦課題を増し、職場の活性化に効果があったとの企業も多くあります。
5軸加工機をベースにした無人化システムの開発は製造業のグローバルな競争力を向上させるものです。


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