松浦共栄会 第25回総会・研修会 11月21日


特別講師に編集工房クセノポン代表阿部重夫氏を迎え
「アメリカの繁栄の限界」と題して講演



編集工房クセノポン代表 阿部重夫 氏

 マツウラの資材や部品の納入業者、ならびに関係協力会社など主要66社で構成される松浦共栄会は、昨年11月21日に第25回定期総会を開催しました。

 西村明会長の開会挨拶で始まり、松浦副社長より「工作機械業界は2002年10月から37ヶ月連続プラスで受注は推移しています。 マツウラも2005年は好調で終われそうです。 高い受注残を抱えて2006年を迎えますが、更なる生産効率の向上が課題です。 来年も皆さまのご協力をお願い申し上げます」と抱負を述べました。
議事は西村会長が議長となり第24期事業報告と収支決算報告が行われました。


キーワードは"変化"

 その後研修会では、二つの研修講座が開講されました。
第一講はマツウラの松浦社長から「最近の経済状況と工作機械業界展望」とのテーマで講演がありました。
「日本はアメリカ、欧州の後追いを続けてきて成長してきた。 しかし中国も同じく後追いを猛スピードで行っている。 名門のアメリカ工作機械メーカーが中国資本下に入っているなどして、アメリカは新しい産業、特に医療関係に推移していると考えられる。 また欧州は急成長しないが、独自の路線を進め、第二のアメリカ合衆国を目指しているとも見える。 特に巨大市場中国と陸続きは有利な条件です。 この状況下、グローバルに展開してきたマツウラの原点は何かと考えると"時間を価値に変える"機能、すなわち高速加工、また5軸ワンチャック加工ではないでしょうか。 キーワードは"変化"です。 変化に対応しないと生き残れない時代がきます」と講演を結びました。


ジャーナリストから見た世界市場

 第二講は編集工房クセノポン代表阿部重夫氏から「アメリカの繁栄の限界」と題して講演が行われました。
阿部氏は、著者に「イラク建国」、「超円高」などがあり、国際問題のスペシャリストです。
初めにアメリカの自動車産業について、「GM社、フォード社の車が米国では売れていない。 割引販売で台数を稼いでいるが、赤字決算となっている。 米国自動車メーカーを苦しめているのは年金、保険負担です。 車1台で3,700ドル(40万円)の経費負担があります。 部品メーカーのデルファイ社は労働組合と交渉中ですが、福利厚生費を圧縮しようとしています。 自動車メーカーと対照的なのはアメリカ最大企業ウォールマート社と世界最大の人材派遣会社レイバーレディー社があります。 レイバーレディー社は1日120万人を派遣しており、ウォールマート社の従業員の半分はこの会社から派遣されています。 福利厚生費を支払わないウォールマート社が有利になり、支払っているGM社、フォード社が不利となる構造が見えて来ます。 同じ構造が日本でも広がってきており、表向きは華やかなIT産業でも、内情はウォールマート社と同様な現象が起こっています。」と。
また中国問題に関し「中国市場がどうなるのか?中国の道路整備は急ピッチで進んでおり、世界中の自動車メーカーが集中しています。 日本のメーカーにとってアメリカ市場と同じく、中国市場で拡大できるかが問題です。 しかし中国の首脳部は早期に進出しているドイツメーカーは優遇しているが、日本メーカーのことを重要と思っていない節が見えます。 日本自動車企業のトップが中国に行ったときに、首脳部の誰と会えるかを注目しておく必要があります」と長年のジャーナリストとしての見方を語られました。


松浦共栄会参加の方々


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