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プラスチック材の試作歯車なら「リアルギア・工業試作で」と高評価
―たかがギアされどギア。ギア屋に徹します―
─ リアルギア・工業試作 ─


会社概要
商号リアルギア・工業試作
創業1995(平成7)年1月
所在地神奈川県伊勢原市
代表者代表 伊東 新 氏
資本金個人企業
従業員数1.5名(代表者を含む)
事業内容プラスチック歯車の試作

工場外観伊東 新:代表



 「日本男子は強くて、良く働きますね―」

 1986年、27才で初来日した「リアルギア・工業試作」の代表・伊東 新氏(中国生まれ)の日本感は、新鮮でした。
 企業見学、研修パックツアーだった由ですが、「日本人の仕事や働きぶりを見ました。これで帰国では私自身が、日本人に負けたと思ってしまう。 自分に負けず日本の社会で努力しよう。俺も男だ、強いんだぞ。日本で強くなるんだ」と、すぐ日本で行動を開始しました。

 横浜の金型屋が初勤務。
「ここが3ヶ月だけ。身体が持たなかったのが本音。日本は1日、8時間以上も立ち詰めの工場現場。 中国の現場は1日、30分程しか仕事せず、あとはブラブラ時間を潰します。 この経験で日本で仕事をすることが、どれほど大変か骨の随までわかりました」と伊東代表は話します。

 この経験から、徹底的な鈍な中国からの心身の大改造に着手されました。
町田市の加工屋は、プラスチック材のオーディオ関連の試作の工場で、基礎から自分自身を鞭打って取り組む連続。 日本人の仕事を見習いコツを盗み、昼夜の別なく粉骨砕身、努力の結果8年目に社長から 「お前がこれだけやるんなら、中古機を買ってやってみては」と奨められ、ベンチレース1台を中核機械として創業。
1985年に藤沢の5坪程の工場を間借りで、町田の加工屋からの暖簾わけの変形みたいなもののようでした。


リアルギア・工業試作の伊東 新代表

日本人はよく働く、その3〜5倍働かねば追いつけない

 翌年、神奈川県は内陸工業のメッカ、伊勢原市の10坪程の工場へ移転し、いよいよ本格的な事業活動を展開、今年で10年目。
その間の伊東代表の奮闘ぶりは、筆舌に表せない程だったようです。
その実績が評価され「プラスチック材の試作歯車なら、リアルギアへ任せれば間違いない」と高評価が得られました。

 「日本の男性が働くのを見て私もできる。それには日本人の3〜5倍位働かねば、対等に見てくれない。 だから休みも取らず、今年の正月は久しぶりに1日休み。それから今日まで休まず。 今朝も徹夜、昨日も一昨日も眠るのは2〜3時間でした。 深夜にFAXで図面が着き、朝までに1個の試作品を仕上げ、ワイフがタクシーで届けることなどは、いつも。 これでリアルギアの存在があるんですね。ただ病気や怪我で、仕事ができないことが一番恐い。 創業から9年、お蔭で元気で休まず風邪も引かず。 こんな身体に改造できたのは、味噌汁、焼き魚、納豆の日本食を採り、日本の肩まで浸かる風呂に入り、熟睡することをしてきたからでしょう」とサラリと話します。

 こんな努力と実績が評価され、近場の5〜6社でのネットワークにも参加でき、今では不可能な試作加工は殆どない「完品」で納品できるまでに、同社の評価が高まりました。
ただフライス加工は殆ど、このネットワークで消化してきたものの、試作ギアが高精度と短納期の要求がさらに高まり、 マシニングセンタを導入せざるを得なくなったようです。
その設備をマツウラのMC-550VXに決めギブスCAD/CAMと同じく設備し、平成14年6月に稼動を開始しました。


マツウラはプラスαの、安心できる“心”がある

 マツウラの新設は、伊勢原市近郊という土地柄から、ネットワークの仲間やいろいろな方々から「何故マツウラなの。もっと一流があるのに」と奨められたようですが 「創業から、かかさず見本市へ行き研究し、いろんな工場で稼動中の機械を自分で確認して、 町工場のマシニングセンタはマツウラだと確信してました。
またマツウラの担当者が熱心に、いろんな困り事や悩み事に耳を傾けて、解決の糸口をつけてくれたこともあって、 マツウラのMC-550VXに決めた」と伊東代表。

 「間もなく1年を迎えるがギブスCAD/CAMと同時に買って、すぐ稼動し、しっかり金を稼いでくれる。 米国でマネーメーキングマシンといわれたらしいが、正にその通り。町工場のマシニングセンタの中のマシンだと、使うほどにそう思う。 油もれもなく主軸も大丈夫。色々な加工を高精度で要求される町工場にはピッタリ。 6/1000〜1/100の精度が間違いなく出る。この2〜3年で勝負します。 値段は僅かに高いが、4〜5年でボロボロになる機械にはない、本物だけの良さを秘めている。 直径0.5mmのエンドミルで15,000rpmの高速加工もOK。削り出しのギアも、サッとやれる。 ギブスCAD/CAMの相乗作用などでね」とマツウラのMC-550VXを誉める。

 さらに伊東代表はマツウラのサービス面でも「返事はハイハイするんだが、全く行動しないというメーカーが多いなかで、 マツウラ本社のサービスマンは、困っていることを、ゆっくり聞いてくれ安心して相談できるし、よく理解し、また私が解るまで何度でも説明してくれる。 マツウラにはビジネス以外のプラスアルファ、そんな心があるんだね」と賛辞をいただきました。


プラスチック材の試作ギア(ぼかしてあります)


日本には“お金”で動かない“心”があります

 「日本人は4〜5年で本当に温かい人間関係ができ、いろんな相談もでき教えてもくれる。 刃物や加工方法など5〜6年前から、夜中でも工場まで飛んできて教えてくれる。 中国など“金”で解決しない限りこんなことは絶対になかった。 日本には“お金”では動かない“心”がある。 こんな日本の心、日本人の心こそ、大切にしていきたいですね」と、伊東代表の言葉は、身震いするほど真剣さが身心に漲っていました。

 伊東代表は「ギア屋に徹してきたし、これからも同じです。たかがギア、されどギアです。 研究開発用のこんな小さなギアが、ひとつ無くても新商品ができないし研究も中止してしまいます。 ギアしかできない私、だから真面目にやっていきます」ときっぱり。

 中国生まれのリアルギア・工業試作の伊東 新代表に、日本と日本人の心に忘れかけた“心というモノ”を、逆に教わったインタビュウ取材でした。


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