教員企業インターン制度/今村典弘先生

スターリングエンジン製作に挑戦




今村 典宏 先生

 福井県教員派遣制度の福井県内企業へのインターシップ制度に、福井県立敦賀工業高等学校教諭の今村典宏先生(39才)が研修生として参加。
平成15年4月から平成16年3月までの1年間(4月から9月までNTT西日本で、10月から3月までをマツウラ本社で)企業現場での実研修を受けられました。
この制度は平成11年から始めた制度で、リーダーとして活躍が期待される中堅教員を県内の民間企業に派遣、企業現場で実体験するものです。
敦賀工業高等学校にはマツウラ製のMC-550V2形が設備されており、今村先生のマシニングセンタの基本操作から実切削加工などの応用に至るまでを習得したいとの希望でマツウラを研修先に選定されました。

 まず昨年4月からNTT西日本で通信等の研修を受け、そのあとマツウラでは10月のNCスクール受講から企業実習を開始。
以前から興味を持っていた「スターリングエンジン」のモデルを「設計から製作まで」をテーマとした工場現場の実習に取り組まれました。
エンジンの構想設計から、部材の調達、NCプログラムの作成、そして実際切削のNC旋盤やマシニングセンタにより切削加工、 さらに組立調整を現場で実習しながら、現実の「物作り」に汗を出し油まみれになりながらの初仕事。
製作した「スターリングエンジン」とはガソリンが発明される以前に発明されたもので、駆動に熱を利用する高効率エンジンです。

 研修の最終日には、製造部員を前にして報告会が開催されました。
エンジンの歴史から原理、製作過程の工夫を発表され、最後は試作機に熱を加えて実演、会場から大きな拍手を受けました。
マツウラでの研修を終えた今村先生は「教育現場は生徒への教育の結果が見えにくく、卒業式でしか判らない。 しかし企業では必ず結果が求められるとのプレッシャーがあり、本当に私が現場でやってきたという達成感が感じられた。 製造現場でいろんなことを経験したが、私一人では何も出来ないことを実感した。 人とのつながりやご縁を大事にしてほしいと生徒には伝えるつもり」とコメント。

 実習担当の加工製造部山下部長は「先生の挑戦する姿勢は素晴らしく、わが部員の励みになった。 これをご縁に今村先生や敦賀工業高校との今後も長いお付き合いをお願いしたい」とエールを送り、報告会が終了しました。


製作したスターリングエンジンを稼動実演中の今村先生


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