名は体を表さず!
名は実体や本性を表すはずなのに、最近は実体や本性を隠すのか表すのか、理解に苦しむものが多くなっています。
もともと、社名や物などの名称は実体や本性を表すように、それは努力したものでした。
人の名前もそうですし、商品や会社の名前なども、相当に苦労してつけたようです。
古典落語に「寿限無」という、長い名前をつけた男の子の話があります。
生まれた子に「長命」を願って壇那寺の住職が、いろいろ考えて命名した名前が「寿限無」で始まる長すぎる名前。
漢字と平仮名、片仮名を混ぜ合わせて103文字もあり、最後に「……長久命の長助」という―。
何しろ母音でいえば200音を超える名前ですから。
しかし、最近の短すぎるのも実体がわからず、困ってしまいます。
特に事業を営んでいる会社の名前などは、どんな事業を営んでいるのか、社名だけでは全く想像すら出来ないものが数多くあります。
最近、出版された会社四季報から、上場している会社名を拾い読みしても「実体がわからない」ものが数多く見受けられます。
五十音順に目次を繰れば、片仮名又は平仮名で二文字の社名が20数社。
外国語風に音を延ばして発する「ー」を含めた二文字社名を入れると36社内外にもなります。
その中には、ソニーやリコーなど世の中で既に認知されている会社名もありますが、私の不勉強なのでしょう、
36社中に全く実体や本性がわからない会社が、約30社弱。
上場会社ですから、元気に活躍されている会社でしょうが、名は体を表すのか、隠すのか甚だ疑問です。
松浦機械製作所などという古色プンプンの社名に決してこだわる訳ではありません。
でも二文字の社名を認知させるには、長い期間にわたる努力が必要です。
短くて誰にも簡単に覚えられ、そして何を営んでいるか実体がわかる、そんな社名は、
やはり継続して、かつ長期間にかけた地道な努力の結果、「名は体を表す」ことになるのでしょう。
考えさせられますね。
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