- 1月6日の仕事始めから、福井は雪で出鼻をくじかれましたが、
その週は東海道を中心として降雪などの異常気象で、首都圏・名古屋周辺ならびに関西までもが、
混乱の中に新しい2003年が動き出しました。
- 2003年、平成15年は「ひつじ年(未年)」で、干支のヒツジはモコモコとして、
見た目にも微笑ましく、穏やかで平和な生き物――で、今年は「多少なりとも期待できるかも」との思いで、
新年を迎えましたのに、どっこいそれほど甘くはなかったようです。
新聞・テレビなどマスメディアの正月や元旦の特集では、
そんな中で「厳しい現実」を「これでもか」と訴えつづけています。
- 特に日刊工業新聞の機械・メカトロニクス面では、
工作機械の項目で「過去3度のヒツジ年はいずれも好景気に沸いた。…」のリードで記述。
1967年、79年、91年とさかのぼってみれば、正しく好景気でしたが、さて2003年の足元は、如何なものでしょうか。
グローバルデフレとして、世界中を悩まし続けているのが、「世界の工場」である中国。
しかし、その中国が「世界の市場になるのも時間の問題」と、中国を知らずして、
語らずして何が、という風にも伺えます。
しかし、今一度じっくり足元を見つめてみたいものです。
- 昨年暮れの経済紙社説で「自動車と電機の明暗から何を学ぶか」と題した主張は、
私達にとって大変示唆に富んだものでした。
その結論は「日本に残るのは、先端的で資本集約的な産業ではなく、
一見、生産性の低い労働集約的な顧客密着産業ではなかろうか」というものでした。
労働集約的な顧客密着産業とは「いかに顧客を満足させるか」すなわち
「顧客に感激と感動を与え、感謝してもらえるか」であるような気がします。
- マツウラは新しい2003年を三現(現場・現物・現実)と三感(感激・感動・感謝)をモットーに、
「出来ないということを言わない」ことでスタートしました。
物の時代から心の時代への、大転換です。
本誌でも、そのような流れから新設コラム「ハードからハートへ」を、本号から始めます。
何なりとご意見・ご異見をお寄せください。
- そういう私も、しがない人間稼業を続けて63年あまり。
荒んだ世の中だからこそ、忘れかけた人の心を今一度、見直していかねばと思っています。
今年も、何かとよろしくご指導・ご支援ください。
では、また──。
渡辺清一(専務取締役)
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