ドイツ - 温泉保養地 -
マツウラ・ヨーロッパ代表 鞍津輪隆



 ドイツのマツウラ拠点オフィスがあるヴィースバーデン市は、ドイツのヘッセン州の首都であると共に、 温泉保養地としても有名です。
ドイツで最も有名な温泉保養地は、バーデンバーデンで、オフィスのあるヴィースバーデンから一時間半ほど南に行った、 黒い森と呼ばれる南ドイツの森林地帯にあります。
19世紀には、ヴィクトリア女王やナポレオン三世等の各国の要人がよく訪れたので、 ヨーロッパの夏の首都と呼ばれていました。
今でも首脳会議等が開かれる国際会議都市として有名ですから、この地名を耳にされた方は多いかと思います。
ヴィースバーデンは、このバーデンバーデンに次ぐ、有名な温泉保養地です。

 これらの両地名に含まれるドイツ語のBADは、英語のBATHと同じで、 この単語を含む地名がドイツには無数あって、温泉保養地がドイツに如何に多いことを物語っています。

 ヴィースバーデンの歴史は紀元100年頃、ローマ人が帝国の北端であるライン川沿いに定着し、 大浴場を建設したところまで遡ります。
中世になると、裸を他人に見せることを嫌った宗教上の理由から、温泉文化は廃れます。
しかし、18世紀終わりに近代医学により、泉水が体に良いことが証明されると、 貴族や金持ちの療養施設として再び発展してきます。
18世紀にナッサウ公の居城が、ここに移ってきたこともあり、19世紀の初めには、 ヴィスバーデンも国際保養都市として発展します。
プロシア国王やドイツ皇帝の住居がおかれ、 フリードリヒ皇帝温泉やクアハウス(療養館)などの華麗な建物が建てられます。

 これらの施設は、今は誰でも楽しむことが出来ますが、多少の注意が必要です。
まずクアハウスとは名ばかりで、その中にあるのはカジノや高級カフェ、そしてコンサートホール。
日本のように浴衣姿で、出かける訳にはいきません。
かつては、泉水を飲む施設もあって、多少はそれらしいところがあった由ですが、 今は完全な高級娯楽施設となっています。

 温泉の方は混浴もあります。
しかも嬉しいことに、水着着用不可と正統派!です。
面白いことに貸しタオルはありますが、これはサウナ等で座るところに敷くための物で、 前にかけるものや前を隠すものでは、ないそうです。
温泉保養地も、温泉浴をする時も、所変われば何とやら、ですね。
写真は立派な温泉保養施設の外観(左の写真)と、大浴場の内部です。



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