中災防「平成14年度・工夫・改善・活動事例コン」
マツウラの「現場直結型パトロール」が安全衛生活動部門/佳作に入賞



 厚生労働省の所管による、災害防止団体法に基づいて設置されている、 中央労働災害防止協会(略称・中災防)が公募した、 平成14年度「工夫・改善・活動事例コンクール・安全衛生活動部門」で、 マツウラの製造部が応募した「職場チームリーダーによる現場直結型パトロール」が、 この8月の同協会の審査で佳作に入賞しました。

 このコンクールは、労働災害の防止または快適職場づくりに役立つ安全衛生管理活動に関する工夫 ・改善事例・その他効果的な活動事例を奨励し、 これを通じて安全で健康、快適な職場づくりの精進に寄与することが目的です。

 マツウラ製造部が応募した活動は、工作機械製造工場の製造現場をかかえている製造部門で 「不安全・衛生指摘・労働災害の“0”を目指した、チームリーダーによる職場安全衛生パトロールの実施」を活動テーマにしました。

 この活動は、活動の基本を「守らされている安全職場から、自分達でつくる安全職場への変革」とし、 不安全・衛生指摘・労働災害の“0”を目指し、 一番職場に近いプレイングマネージャーのチームリーダー22名全員でKY(危険予知)の眼による職場安全衛生パトロールを実施。
その際の不安全・衛生事象、不安全行動に対しては、
@ 潜在する原因を見つけだし是正立案し、
A 素早い是正実行と、見やすく目立つポスターも併用し速やかな情報伝達を行う。
これらの付帯効果として、
@上司と部下の相互コミュニケーション向上、
A 部下の意識向上、
B チームリーダーの相互啓発による安全衛生意識の向上
などが見られました。

 これらの活動は、工作機械製造を行なっている製造部管轄の3工場製造現場の加工と組立にかかわる、 職場と作業の全てを対象としたものです。
活動の動機は、上司であるグループリーダーによる職場安全衛生パトロールでは、 なかなか安全衛生に対する自立心、いいかえれば自分達の職場・部下は自分達で守り、 安全衛生システムを確立する意識が不足。
しかも、結果が伴わず、さらに22名いるチームリーダーの安全衛生に関するコミュニケーション・ 情報伝達が作業内容が異なるため、組立・加工・管理の間で円滑でなく、 職場グループ間に安全衛生に関わる足並みの乱れがありました。
これらの問題を解決するために、チームリーダーによる活動に、全てを委譲し新しく活動を開始したものです。

 この活動の結果は、活動前と比較して9ヶ月間で、全社安全衛生推進委員によるパトロールの不安全指摘件数が1/7に激減。
赤チン災害(休業“0”の治療や通院などによる怪我)が、活動を開始した平成13年8月より平成14年4月の通過現時点で“0”。
さらに
@ 今年職場パトロールで再発をした指摘に対して、初めて組立・加工・管理のチームリーダー(22名中新たに10名を選出)が自主的に、 一ヶ所に集まり検討会を行い、作業内容が違うという“大きな壁”をなくし、 本質的な安全衛生管理まで討議されたこと、
A ビジュアル化された掲示物により、作業者まで“同じ目線”で不安状態・行動を認識するようになったほか、 これらのポスターは全社安全衛生推進委員を通じて、全社的に啓蒙用に活用されるほど、 大きな効果となって、あらわれています。


「物づくりは人づくり、人づくりは心がけづくり、です」


山下登志雄・製造部長談

 この活動について、工場の製造現場で安全衛生面など全面的な行動を指揮している、 山下登志雄製造部長(当時、現在は加工製造部長)は、応募作品の入賞を含めて次のように話しています。

 「努力の甲斐がありました。この活動は、もともと私達の職場から不安全、 不衛生事象や不衛生な行動を取り除き、快適な職場の中で仕事をすることが第一の目的です。 労働安全衛生システムマネジメントOHSAS18001認証取得の準備を契機として、 グループ長4人をメインスタッフで平成11年秋から始めたものです。 現場の若手中堅社員のつね日頃から気づいたことを実行するよう指導してきたことなどが、 これほど効果があったことに驚いています。 これも、私がいっている“物づくりは人づくり”“人づくりは心がけづくり”とアピールしてきたことのひとつでしょう。 今回の入賞を機にこれからも“人づくり”をさらに推進していきたいと思っています。」


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