こんなユーザー No.93
とにかく困っている仕事を解決する!
医療・計測・情報通信などの部品をアルミ材・チタン材・サス材の高精密加工で――
―有限会社近藤製作所―
会社概要
商号
有限会社 近藤製作所
創業
1977(昭和52)年6月(1981年会社設立)
所在地
福島県東白川郡
代表者
代表取締役社長 近藤伍平氏
従業員
8名(常勤役員を含む)
資本金
400万円
事業内容
各種精密部品の製造・加工
専務取締役 近藤光行 氏
工場長 近藤政世 氏
±30秒の高精度加工のパーツ
「FX-5型という超高速加工が出来るマシニングセンタのビデオは見ていましたが、 実削を東京の展示会で見て、まるで木工用電気カンナ作業のような、 切削スピードと切削音のマシニングセンタという機械に感動しました。
こんな素晴らしい工作機械を作っているマツウラって会社は、どんな会社なんだろう。
きっと、何か大きな夢があるのだろうと、瞬時に思いました。
そんなメーカーが取り扱っているCAMシステムのGIBBSを、とにかく使ってみたかった。
そのCAMを買ってマツウラの夢を実体験してみたんです」と話されるのが、近藤製作所の工場長、近藤政世氏。
「以来、GIBBSというCAMソフトを通じて、マツウラの虜になってしまいました。
いつの日か、マツウラのマシンを買いたいと思いつつ、一昨年の暮れにその思いが実現できたんです」と、話される同社専務の近藤光行氏。
有限会社 近藤製作所を実質的に経営される両氏のマツウラへの思い入れが、 いま同社の大きなパワーとなって開花しようとしています。
<バリトリ加工から精度加工へ脱皮した近藤製作所>
同社の創業は、昭和52(1977)年、ダイカスト製品の二次加工による穴開けやエンドレス研削でした。
設備は自社で工夫改善した研削盤などの5〜6台。
昭和56(1981)年5月に個人から法人に組織変更したものの、仕事は殆ど変化はなかったようです。
ただ、近藤専務、近藤工場長とも、両親である近藤社長夫妻の働く姿を目の当たりにして、 「知恵と工夫が我々に残された唯一の生き残る道だ」と会得されたようです。
近藤専務、近藤工場長が異口同音「当時、近藤さんにはバリトリ作業は勝てないよ、と言われました。 バリトリは単純ですが、レベルの低さを揶揄されていたんです。 でも、そんな単純な仕事でも、知恵と工夫次第では、専用機を自分達が作って手作りなどで繋げば、 高く評価されるんだということを、証明できました」と話されます。
そんな同社の弛まぬ努力は、時代の変化に追いつくまでに、数多くの苦労と困難があったようです。
「今から20年程前でした。バリトリ作業や穴開け作業を中心にしてきた私達は、 ダイキャスト品の同時穴開けや穴埋め、同時タップの加工をするための専用機を自分で作り、 多軸ボール盤の設備もして、この仕事なら誰にも負けぬと営業活動をしたんです。 でも、私達の思いと世の中の変化に大きなギャップがある事を、この時嫌というほど思い知らされました。 それから、世の中の動きや変化に敏感になるための、必死の勉強と努力が始まりました」との近藤専務の言葉には、 生き残りをかけた企業経営者の決意が見受けられます。
この時代の変化に追いつくために、「福島の田舎から飛び出して、最新の物を勉強しなければと、 東京の最新工作機械展や新技術や加工方法の見学には、何はさておき顔を出し、 身体で感じ取る努力をしてきました」と近藤工場長。
さらに、「その時ですよ、マツウラの名を知り、関心を持って注目してきたのは。 そのうちにマツウラは、FX-5というマシンを発表し展示。 超高速の20,000回転という切削加工が、この世の中にあるなんて。 大変なショックでした」と率直に話します。
<即日受注、即日納入そして省人、省ロットを解決した!>
そんな中で、マツウラが取り扱っているアメリカ生まれのCAMソフトGIBBSを、平成4年2月に購入。
何か夢がある思いから、マツウラとのつながりをつけた同社は、 「いつかはマツウラの機械を設備したい」と、目標にされて、あらゆる工夫と努力をされたようです。
その願いが一昨年の暮れに念願叶って設備したのが、マツウラのMAM72-3VSで、 この設備で同社の長年の夢を一気に実現しようと決意。
「省人、省ロット。やりにくいどうしようもない仕事を解決するには、 10年以上も前に見本市で発表し、既に世界のいろんな現場で稼動しているマツウラのMAM72-3VS以外にない、 と結論を出したのが平成11年暮れ。 でも、本当は3〜4年前でした。 私達がやる仕事は、究極的に即日受注・即日納入です。 そのために、何をどうしたら良いか。 私達なりに真剣に考えました。 そこで4〜5年位前から、インデックスによる4軸加工を、いろんな角度や方法で研究してきました。 勿論、当社がやっているのは、アルミ材のほか、チタンやサス、真鍮等の高精度加工が主なもので、 医療機器や測定機器、情報通信関係の製造や計測装置に利用される部品の加工です。 とにかく工場の生産性を悪くしている仕事を、寝ている間に解決してくれる、そんな夢のような機械。 それがマツウラのMAM72-3VSに凝縮されていると思ったからです」と、近藤専務。
稼ぎ頭のMAM72-3VS
高精度で微細な加工も、1回の取り付けでOKのMAM72-3VS
<すごい夢と可能性を持つ、マツウラのMAM72-3VS>
そして今年4月。
マツウラのMAM72-3VSを設備してから、早18ヶ月が経ちました。
その間、思いもよらぬIT産業がらみなどの急減で大きなダメージを受けたものの、今春の3〜4月から状況は一変。
溢れるほどの仕事量で、嬉しい悲鳴。
設備して約1年、仕事が減った事から稼動状況が悪かった昨年を機会に、 MAM72-3VSの特徴や機能を体得し、従来まで同社が加工してきた仕事を殆どMAM72-3VSで加工できるよう、 プログラムなどを整備したことが功を奏して、受注増をこなしています。
15余年前に一目見た時から、マツウラのマシニングセンタを使いたいとの思いから、 一昨年に設備された同社の近藤専務と近藤工場長は、 「MAM72-3VSは、私達の期待通りの活躍をしています。 とにかく困っている仕事をどんどん入れていますし、 それが面白いほどに高精度で且つ納期内で確実に解決してくれています。 やはり、マツウラの機械はすごいですね。 すごい可能性を持つ機械、と思ったのは今から15年余り前です。 今では、高速加工は当たり前になりましたが、マツウラは15年も前に、高速、高送りの加工を実現していましたし、 5軸加工のMAM72-3VSも10年前には実用化。 夜開け前の機械や技術を、世の中に出してしまうマツウラのパワーとノウハウは、 私達に機械加工業界の将来の可能性を象徴してくれました。 それが10数年たった今、私達にも役立っています。 MAM72-3VSの設備が今、近藤製作所の将来性と夢を与えてくれる、素晴らしいものになっています」と話されました。
この素晴らしいメッセージは、メーカー冥利に尽きる有り難い言葉です。
こんな夢の期待に応えねば、と思いつつ、「うつくしま、みちのくの玄関、旬の街白河」を後にしました。
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