医は自然にしかず――
有名な「解体新書」「蘭学事始」を著した、わが福井の偉人、蘭学者で医学者の杉田玄白先生は、
その難事業を完遂するために、若い頃は不養生を余儀なくされる程、研究に没頭されたことと思います。
にもかかわらず、満84才という当時にしては超長寿命を全うされ「医は自然にしかず」の名言を残し、永眠されました。
健康で長寿を標榜する福井人にとって、杉田先生の独自の健康について、よく検証してみれば――。
先生の言葉の中で、もっとも凝縮された結語は「医は自然にしかず」。
これを解き明かした至言が「養生七不可」に盛り込まれています。
その七つの養生訓は
- 昨日の非は恨悔すべからず
- 明日の是は慮念すべからず
- 飲と食とは度を過すべからず
- 正物に非れば苟も食すべからず
- 事なき時は薬を服すべからず
- 壮実を頼んで房を過すべからず
- 動作を勤めて安を好むべからず――。
1. 2.は精神生活の心得であり、3. 4. 5.は食生活の要諦であり、6. 7.は身体の運動に関わる考え方です。
注目すべきは、心のカウンセリングの自然を中心とした食のバランスと共に、
屋外へ出る事の必要性、身体を動かす、負荷を与える事の奨めなど、
カルシウム摂取不足による骨粗鬆症の予防にまで含蓄、遙かな平成の世の病巣へも示唆を与えています。
わずか7項目に、健康長寿の珠玉の智恵が凝縮されているのは、さすが我が福井県人……です。
前画面へ戻る