商号 | 有限会社 タカノ精機 |
創業 | 1987(昭和62)年5月(1990年会社設立) |
所在地 | 新潟県南魚沼郡 |
代表者 | 代表取締役社長 高野則雄氏 |
従業員 | 6名 |
資本金 | 500万円 |
事業内容 | 小物精密部品の製造・加工 |
高野則雄社長 | 昭和62年の創業当時は、 1台の研磨機が、唯一の設備でした |
タカノ精機の看板設備/マツウラのマシニングセンタ
<長岡近郊から県外の長野、川崎、福島などに>
新潟県は長岡市や南魚沼郡を、営業エリアとしている同社は、研磨加工が出身で得意技という「売り」を、
存分に発揮されるだけではなかったようです。
「長岡近郊はアルプス電気さんのような、電子部品大手メーカーなどの進出も多く、
小物精密部品加工のメッカでもあります。
また、そのため関連協力工場群も数多くあって、私達も横のつながりをもちながら、有機的な技術や営業を、
比較的容易に展開してきました。
これも、当社が10年、堅実にやってこれた理由の一つでしょう」と高野社長。
こうした同社の経営努力から、今では総合電子部品大手メーカーや、大手ファスナーメーカーの小物精密部品加工を、
「ミクロン台を追求した、小物精密部品等の単品加工を、一貫した最終工程まで」を守備範囲として、活躍しています。
これを土台にして、長岡市や南魚沼郡近郊の新潟県内から、得意先を長野、川崎、福島など県外へも広げ、
同社の得意とする事業展開をすすめ、大きく伸展、飛躍されようとしています。
<井の中の蛙にならぬために、そして時代遅れにならぬために――>
そして同社が大きく転換される事業展開の中で、
「今までの方法と考え方では、小物の精密加工そのものが時代遅れになると実感しているんです。
井の中の蛙にならないように、タカノ精機の技能や技術、そして魅力を付けられる工夫と努力をしなければならないと思っています。
だって、一握りの企業だとは思いますが、タイ・マレーシア・中国でも素晴らしいモノ作りをやっていることを耳にしますが、
日本が生きるには彼らに出来ない、違ったモノを考えていかねばなりませんよね。
そのためには、出来れば大手よりも、しっかりした中堅メーカーとのつながりを、
より強く太くして技術と技能を今から磨いていかねば、タカノ精機の存在価値はないと思うんです」
と、キッパリ話される高野社長。
その高野社長が、動き出した時代遅れにならない手立てが、高速切削加工への挑戦――。
「いまや高速加工の時代です。はやく高速に慣れないと、今後は食っていけないようになります。
今とは、一味も二味も違う分野への特化を、体力のある今、考え実行すべきと判断したんです」
との高野社長の大きな決断。
これが、マツウラの高速加工マシニングセンタの設備に、つながっているようです。
同社がマツウラのマシニングセンタを設備されたのが、昨年8月でMC-550VX型。
そしてFX-1型が今年4月。
「550VX型は毎分15,000回転のもの。2面拘束タイプで加工精度もよく、私の期待以上でした。
従来6,000回転で加工していた、普通のものと比較して、加工面の光沢が全然、ちがいました。
研磨師の目から見ても、大きな違いです。
勿論、刃物も超硬を使っています。FX-1型は30,000回転です。
それに合わせて、5月に3次元測定器、7月には3次元CAD・CAMを設備します。
当社のような小企業の特長は、少量多品種で短納期を如何に、やり抜くかにかかっているんです。
そんな要求には今までとは、違った技能と設備によって、企業自身が努力し工夫することだと思います」
と、高野社長は話されました。
<中身の濃い味のある、攻めの積極的な企業に――>
創業14年目を間もなくむかえる同社は今、研磨加工技能者もマシニングセンタ加工技能者も揃い、
看板設備も研磨機、高速マシニングセンタ、ワイヤカットや放電加工機、そして最新鋭の各種測定機器も万全に――。
「私の夢は、ここ3〜5年で150〜200坪の自前の工場を持つことです。
従業員は7〜8名まで。確実に完全に仕事をこなす、そんな持ち味の会社にと考えています。
勿論、お得意様からの注文は、出来ないとは言わない企業を目指します。
だって、私が従業員の仕事を、確実にみれるのは精々3人ですから。
従業員や売上ばかり、大きく増やすよりも中身の濃い、味のある、そんな会社を目指したい。
勿論、企業の戦略は守りではなく、攻めて攻めての積極経営と、旗幟は鮮明です」
と高野社長は、決意の一端を――。