松浦共栄会/研修旅行(6月16〜17日)
泉鋳造(鋳造工場)・富士電気(三重工場)の見学
モノづくりのミクロ・マクロを実体験
松浦共栄会(会長は土橋信夫ツチハシ社長)は、6月16〜17日の両日、50社54名が参加して研修旅行を開催しました。
研修見学先はモノ作りの原点となる工作機械の骨格・本体部分を構成する鋳造品を供給する、三重県四日市市の泉鋳造株式会社様と、
同じく四日市市に1944(昭和19)年操業を開始した総合重電機器メーカー富士電機株式会社三重工場様の2工場。
富士電機・三重工場で 説明をうける会員 |
泉鋳造を辞する会員 |
恒例・早朝セミナー受講会員 |
泉鋳造様は松浦共栄会員会社で、工作機械用鋳造品を供給する鋳造品専門メーカー。
マツウラ製マシニングセンタの鋳造品などを供給する、最新鋭設備を駆使しているミーハナイトメタル工場。
「モノ作りの原点になる工作機械の剛性や品質を最重要な経営視点とした鋳造品を、心をこめて作り上げています。
工作機械を舞台裏から支えている、当社の現場を会員の方々にしっかり実体験頂き、イモノ屋冥利につきます」
とは同社の三輪隆専務の言葉でした。
鋳造工場の見学研修は会員にとっても、大きなインパクトになったようでした。
世界一の自動販売機を誇るのが、富士電機・三重工場様。
「世の中のあらゆる商品が価格を引き下げている現象に、自販機のコストと機能が、いかに追随出来るか出来ないかが私達の課題です。
飲食商品の自販機が主ですが、味や風合いなどひと味ひねったプラスアルファの付加価値を付けることが、富士電機のセールスポイント」
と話されたのは、同社工場総務部の杉浦総務課長。
ここ1〜2年良好な米景気――
1ドル・1ユーロ・2ドイツマルク=100円で採算合う企業に
-株式会社松浦機械製作所:松浦正則社長-
研修2日目は恒例、午前8時から10時までの早朝セミナー「最近のアメリカ市況と工作機械動向」と題した、
松浦正則マツウラ社長の講演が開催されました。
要旨は次の通りです。
- アメリカ市況は日本の産業や経済にとって、工作機械業界にとっても、マツウラにとっても極めて重要な相手国。
アメリカが名実ともにリードしており、アメリカの動向を確実に知る必要がある。
特に好景気が110ヵ月以上も持続しているし、また今秋の大統領選とのからみから、
その行方は──と私達のビジネスにとっても生活面でも、この動向を知ることは必須である。
- 結論からいえば「ここ1〜2年は好況が続く」とは米トップ新聞の一紙US TODAYが報じている。
この裏付けとして私の体感は
「米国内航空便に5月の出張で、合計11便乗ったが、いずれもビジネスと観光との客で超満員、一席も空なし」
「欧州製の高級車やスポーツ車が道路や駐車場で、多く目立っている。欧州車は米国民にとっては一番のゼイタク品」
「高級レストラン。1人1回の食事代が100ドルを超えるような店が、1ヵ月前から予約が必要なほど超満員」
「道路も飛行場もその他公共施設も、大々的に拡張や新設工事中で、日本の公共工事の比ではない」など。
さらに別な角度から知人5〜6名の意見をまとめると
「結論はアメリカの一人勝ち。まだ、1〜2年は続く。また米国の政府高官や産業界トップは、
いずれも第2次大戦を知らない戦後生まれの40〜50才代。
日本が世界一と謳歌していた1980年代から、1990〜2000年代は日本は叩かれずくめになる。
日本のトップは、すでに老人の60〜70才以上。血気盛んな40〜50代の彼らには、とても太刀打ちできない」
などなど。
- わが業界に関連した、各地ユーザーの声が代弁している。
「軍事(軍需)から派生した民需の、総合情報通信システムが大きな生産拠点となっているボルチモア地区」
「日本と同じ民需を中心としながらも、軍需ノウハウが基礎になっているサンフランシスコ地区」
は、IT産業がらみで、まさに超繁忙。
「今から3年は絶対に大丈夫。年内に工場を2〜3倍に拡張する、当然、工場の生産設備も最新鋭に更新する」
と超強気のユーザーが2/3以上もあった。
こんな民需を中心とした動きが、全米に拡がっている。
IT産業がらみは勿論、自動車などに使われる環境・安全・省エネなどの機能部品も超繁忙中。
- 日本の工作機械需要はどうなっているのか。
IT産業がらみによる、小物・精密部品加工用設備向けの工作機械メーカーは超繁忙。
これにリードされて、日本の工作機械需要は、今年4月には外需から内需が50%を超え元に戻った。
工作機械の需要を予測する見方として、12年周期説がある。
1990年が需要ピークだったから、12年後の2002〜2003年がピークと予測。
「今年は大丈夫。少なくとも来年も大丈夫。世界の米・欧・亜の各市場とも──」が、私の結論。
- この結論だが、世界の視点からみると私は「1米ドル・1ユーロ・2独マルク・100円で採算が合う、
儲かる企業にしないと、日本企業や我々業界、そしてマツウラは生き残れない」と思う。
従って現在のコストから15%以上のコストダウンが必須条件とみる。
こんな状況なので、会員各位もさらなるコストダウンに協力を。
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