やってみろ 言うならお手本 してみせろ!

 「無理させて 無理をするなと 無理をいう」
覚えていらっしゃいますね。
このサラリーマン川柳、略してサラセンが日本中でブームになってきました。
人情・風俗、人生の弱点、世態の欠陥などをうがち、簡潔・滑稽・機知・風刺・奇警が特色の17文字の短詩──「川柳」が雨後のタケノコのように氾濫してきました。

 サラセンは、第一生命保険相互会社が1988年に始めたもので、今年もその元祖ぶりを遺憾なく発揮。
11,000通の応募だった第1回目から数えて、今年第13回目では何と1.8万通を超えたとか。
その中で「やってみろ 言うならお手本 してみせろ」「ふろの順 オヤジ最後で 掃除つき」 「赤ちょうちん 会議の時より 意見でる」など、サラリーマンの姿を浮き彫りにした、作品が上位に選ばれたようです。

 第一生命保険のサラセンに、遅れてはならじと大手の企業や団体が、傑作川柳を募集してブームに拍車をかけています。
そして、その極め付けが「追い越せサラ川柳」と題して、肉迫している「カミさん川柳」が、 雑誌「通販生活」の出版元カタログハウス編集部です。
好評連載第28回の「カミさん川柳」最優秀賞は「カゴをかかえて女房の後ろ三歩さがって、 ついて廻る定年後のご主人、スーパーじゃが効いてる」とコメントされた選者が選んだもので

 「スーパーじゃ 三歩女房の 後歩み」
というものでした。悪乗りのついでにカミさん川柳の優秀賞を2句。
「目は一重 アゴは二重で 腹は三重」「夫婦旅 二度とすまいと 誓う旅」。

 如何です。せち辛い世の中。こんな機知に飛んだ言葉あそびで、ウサを晴らされては。
でも病い高じて不愉快な日本語ばかり使うのは、ご遠慮頂きたいものですね──。  


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