No.157 「執着心」 2010(平成22)年4月号掲載


 どうも最近気になることが・・・何かを取り組んでいるときに少しでも障害が発生するとすぐに諦めてしまう人、または、上手くいった時でも少しの成功で満足して更に大きな成功を追及する姿勢が乏しい人。

 仕事でもプライベートでも「ほどほどに」的な人が増えてきているように感じます。
少し前までは「今時の若者の傾向なのかな?」と思っていましたが、最近は世代にあまり関係ないとの認識に変ってきました。
経済・テクノロジー分野におけるアジア新興諸国の台頭を見るにつけ、日本全体から出てくるエネルギーの減退感にどうにも不安になってしまいます。

 よくある職場の一コマ( 本当はあっては困るのですが)・・・掲げた目標に到達できない時に原因を探るとコミュニケーション不足みたいなものが挙がってくる。
ではコミュニケーションを良くするにはどうしたらよいか?という議論が始まる。
そうするといつの間にか、コミュニケーションを取ることが何だか当初の目的だったかの如く議論のすり替えが起きてしまう。

 毎回サッカーネタで恐縮ですが、どこか最近の日本代表に重ねてしまいます。
本来ならゴールを奪うのが目的なのにパスを回すのが目的のような試合ばかりしていて・・・そんな中、「ゴールを奪うんだ、俺にボールをよこせ!」と強く主張する若い青年が日本代表に現れました。
現在ロシアで活躍している本田圭佑選手です。
お隣の石川県星陵高校サッカー部でも大活躍した選手で非常に個性が強いタイプです。が、彼は明快です、主張がブレません、存在自体がとっても強いんです。

 ほぼ例外なく成功を収める人というのは、自分の掲げた目標に対する「執着心」が物凄くあります。
一念岩をも通すと申しましょうか、結果を導き出す為には多少の軋轢など意に介さず、前へ前へと突き進むバイタリティ、エネルギーに溢れています。結果を出すことに対する執着心が強ければ、目的と手段のすり替えは起きる筈もないでしょう。
つまりは無駄がなく合理的な問題解決にも直結します。

 スマートさなんか要らない、みんなもっとガツガツ行こう!と、社員にハッパ掛けないといけません。