No.152 「敵を料ること」 2009(平成21)年1月号掲載


 さて、2009 年がスタートします。

 昨年前半まで甘受してきた好景気は、一体何処へやら…。
我が業界は勿論、世界経済が試練の時を迎えているようです。

 前号では、景気の減速も「社員教育には絶好の時期」と何やら格好の良いことを申し上げましたが、 巷から聞こえてくるニュースは、厳しいものばかり。
その内容も歴史的な景気の急落・失速等々…。
日本のバブルの崩壊時は、2〜3年かけて景気の底を見ましたが、今回は、全世界的で一斉にかつあまりにも急激な変化で、 その巨大な負のエネルギーは、健全な投資意欲をかき消してしまったようです。
リスクテイクするためには、何らかの理由が必要ですが、リスクに対し消極的になることに理由は、あまり要りません。
投資をしないというプロセスは、比較的簡単です。
どうもこれだけの急激な負のインパクトを目の当たりにするとマクロ的にはシンプルな行動に走ってしまうのは、無理からぬことかと思います。

 孫子曰く「将、敵を料ることを能わず…」。
この世界を覆う巨大な「負」がどれ程のものなのかをトップが料れなければ社を率いるに能わず、になるのですが、 史上空前といわれる出来事だけに正直私にそう容易く推し量れるものでもありません。
ここは一つ一つ、お客様のお役に立てる仕事を地道に積み重ねながらこの難局に当たっていくように腹を据えることが肝要かと心得ます。
そのためには、やはり社員一人一人の精錬度を上げることに注力する1年でありたいと決意する次第です。
本年も愛情のこもった厳しいご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。