No.134 人づくり、ものづくり、夢づくり 2005(平成17)年1月号掲載


 この言葉は現前田建設工業株式会社取締役名誉会長、前田又兵衛氏から頂いた言葉です。
今年父敏男が鉄工業を始めて満70年、改めて「ものづくり屋」として足元をみつめなおす合言葉に最もふさわしいと思いモットーにさせて頂きました。
きっかけは昨年11月12日「第22回福井県鉄工まつり」の主賓としてお招きし、 テーマ「人づくりの発想」で講演を頂き、表題の言葉でくくられ出席者全員に感動を与えました。

 前田氏は日頃から「人づくりが全ての基本」と位置付け、三代目として前田建設工業株式会社の近代化を成し遂げ、 社長時代に画期的なミキサ「MY BOX」の開発で東京大学から工学博士号を授与されました。
その後日建連会長に就任と同時に会長になり、しばらくしてデミング賞実施賞を受賞する等、素晴らしい実績を残されています。

 前述の講演の中で強調されたトップの使命は「課題」と「場」の提供が最も重要であると。
また常に三現主義に基づいた社長と同じ価値観と情報を共有し、全て「自己責任」で自分の人生をリード出来るミニ社長の育成をするのが我々トップの責任と語られました。
また前田氏は自ら前田塾を創設、実践されていることに大変敬服致しました。

 その「ものづくり屋」として昨年の工作機械業界は1990年以来1兆2千億円を越し、好調の中に新年を迎えることが出来ました。
今年もトヨタ自動車(株)を始めとする自動車業界の積極的な設備投資に支えられ引き続き好調を維持すると予想されており、大変喜ばしいことであります。

 しかし、好調であるが故に、次世代のお客様が何処にあるのか予想し、それに素早く対応できるようにしておかなければなりません。
それには「人づくり」が最も重要であり、常に夢を与えながら、自らがリードする「人財」を育成しなければなりません。

 「ものづくり」の前に必ずやらねばならないのが「人づくり」であり、それと同時に「夢づくり」も怠ってはなりません。
お客様の要望に答えながら社員の幸せと満足度も上げつつ「マザーマシンメーカー」としての社会的責任を要することが私達の使命であると堅く誓ったのです。