No.119 思い知らされた米国のパワー 2002(平成14)年5月号掲載


 昨年9月11日の同時多発テロは、米国を初め世界の経済に、M7以上の激震を与えました。
これによって世界経済、米国そして日本にも影響が押しよせ、不況色が一段と激しくなってきました。

 そのテロ発生の大元、米国経済はさぞ影響もひどく、深刻な状況になっていると思いつつ、 この3月から4月にかけて、1年ぶりに渡米しました。
確かに米国のテロ現場は、修復工事で心を痛めましたが、私の思いとは大きな違いがありました。
ニューヨークのブロードウェイには、人や車が溢れレストランや劇場もウエイティングの時もあり、 またホテルや飛行機も、ほぼ満員という状況です。

 確かに9月11日を境に米国は、そのあり方を問われ、今までの自由を犠牲にしてでも、 安全を優先したことは事実で、厳重すぎる程の警備などは好例です。
こんな様子を見て私は「何故なのか」との思いで、米国で活躍中の方々を訪ねました。
その答えは、
1)昨年末の在庫一掃セールで個人消費が落ちなかった。
2)安全維持のため警備を強化、それが雇用増となって、レイオフを吸収した。
3)GNPの70%を占める個人消費が極めて堅調、
ということでした。

 それらを裏付けるように、今年に入ってからも、
1)米国にリセッションはなかった。
2)米国1〜3月のGNPは、最低でも年率4%、場合によっては5.7%になる、
とヒヤリングした数人の方々から自信ある言葉が返ってきました。
超低金利政策などで、自動車や住宅などの購買意欲をうまく盛り上げ、堅調な売れ行きだったことを含めて、 個人消費を促進させるなど総合的に考えますと、ブッシュ米国大統領の力強いリーダーシップと実行力、 そしてグリーンスパン連銀議長の、絶妙で素早い対応力のなせるワザなのでしょう。
米国の奥深いパワーに、ただただ驚くばかりでした。

 それにしても、私が訪ねた20数人の方々が「日本のリーダーの無能力、国益を全く考えない彼らの言動を見るにつけ、 いま日本は何をやっているのか」と、口を揃えて問いかける言葉に、私は何ともやりきれない思いがしてなりませんでした。
後日に発表された、米国1〜3月GNP実績値5.8%は、改めて米国の力強さと実力を、思い知らされた次第です。