No.112 「U.V.L」 2001(平成13)年3月号掲載


 昨年末から米国景気が降下を始め、受注額にも表れてきましたので、 ブッシュ新政権の骨格が決まった時をとらえて、この2月から3月にかけて、6ヶ月振りに訪米。
到着時には、春の様な暖かさから、一転して雪に見舞われ、厳しい景気の現状を肌で感じた気持ちでした。
早速旧知の人達と情報交換しながら、いつ景気が回復するのか、その理由はどこにあるのか、この2点に絞ってみました。

 第一は「V字型」回復。年央には底を打って上昇する見方です。
その根拠はナスダックはとも角、ダウ平均が$10,000以上を維持しており、今米国に対抗する国が無く、 I.T革命をベースにした情報・金融システムでは世界のトップ、秋以降には減税も実施されるというものです。

 第二は「U字型」回復。
10年続いた景気上昇に疲れが出て、IT革命における調達の早さが、急減速状態。
第2四半期まで底、そして底ばいながら年末、または来春から徐々に回復するとの見方です。

 最後は「L字型」回復です。 「ニューエコノミー」時代の力強い景気上昇を信じ、最後に日本同様バブルに見舞われ、その反動で、ハードランディングをしいられるという見方。
財政は黒字ながら、経常収支は空前の赤字、そしてドル価値が見直されれば、一気に物価上昇インフレ傾向が出て、雇用不安も始まり、2〜3年は低成長が続くと――。

 さすが「L字型」は少なく、「V字型」と「U字型」は同数の見方でした。
すでに米国国内線は空席が目立ち、有名レストランも同様。
支配人は、「リセッション状態」と嘆いていました。
特に昨年末のクリスマスセールは低調そのもの。その上「新政権の全人事決定が早くて4月、遅ければ6月。
政策面で本格的に動き出すのが秋以降。」と国務省筋から聞かされ、予想以上に効果がずれそうです。

 いずれにしても、米国景気は世界の注目の的。
アメリカを中心に、ヨーロッパは勿論、日本もアジアも特に中国も、その動向に注目しています。
当分アメリカから、目が離せそうもありません。