No.111 21世紀の初夢 2001(平成13)年1月号掲載


 20世紀の日本は、工業立国として素晴らしい発展をしてきました。
しかし、世紀末近くになって、高年齢化と少子化などを中心とした諸問題をかかえ、バブルによって無残な姿をさらけ出してしまいました。
とはいえ、世界第2位のGDPを稼ぎ出す日本の実力は、まだ劣っていないと思います。

 しかし、これからさらにグローバルに展開する未踏の21世紀を、日本語で考え、 日本人の価値観だけで、走り出すとしたら、ローマ時代のカルタゴのような悲劇にさらされるように思えてなりません。
我が愛する日本が、滅亡したカルタゴの悲劇国家や国民になることだけは、断じて避けねばなりません。

 これを回避するには、日本が21世紀一杯「もう石油を含む新たな資源は使わない」と、世界に宣言してはどうでしょうか。
この世界宣言は、これまで使った素材を、りニューアルし、リサイクルし、 リバースするという「再生技術」による世界のモデル国家を目指すことで実現出来ます。
それこそ日本が持てる全てのサイエンスやテクノロジーを、国民の英知と努力を結集して、 自然と共生出来る仕組みを作り上げるという、壮大な国家目標が、新しい物作りを生み出す事は、間違いありません。

 この国家戦略で開発された、技術やシステム、ノウハウなど再生技術は、あますところなく全世界に無償で提供し支援する―― こんな仕組みが出来上がったとき、全世界から日本は、本当の仲間として認められるのではないでしょうか。

 資源再生国家の、新しい日本は、この国家プロジェクトで、さらに新しいビジネスが生まれ、新しい生活が生まれてきます。
こんな不退転の決意を宣言し実行することが、明日の日本を、いや21世紀の日本を保証出来るとおもいます。
――こんな思いが、私の大きな21世紀の初夢です。