No.155 すげ笠 2010(平成22)年1月号掲載


 福井は日本のドマン中「日本のヘソ福井」第155回目は「すげ笠」の話です。

 農作業のお百姓さん、また釣りをしている人が薄い円錐形の笠をかぶっている姿を見たことがありませんか。
 その笠は「すげ笠」と言われ、菅(すげ)という植物を素材として作られています。
 江戸時代に湿地の有効利用と農家の副業を目的に始められましたが、現在では生産地も限られています。
 福井市清水町杉谷では「越前すげ笠を守る会」が結成され、今も10名の方々が「すげ笠」の笠縫いの伝統を守り続けています。
 この「すげ笠」は、福井市清水地区の特産品のトップで全国一の品質を誇り、主に時代劇の撮影用や高級民芸品として作り続けられています。
 地元では、清水すげ笠マラソン、すげ笠ウォーキングが行なわれ、また町民が踊れるすげ笠音頭が作られています。
 清水東小学校の給食では、椎茸の肉詰フライをすげ笠フライと称して子供達にもこの文化を根付かせようとしています。

 昨年11月には日本新聞教育文化財団が小中高校生を対象にした第5回「わがまち新聞」コンクールで、福井市清水南小4年の森崎茉凛(まりん)さん作の「すげがさの里」が全国2186点の応募の中から、最高賞の「グランプリ」に選ばれています。
 紙面には「清水の宝物すげがさ」「すげがさ作りがピンチ」などの見出しがあり、すげかさを守ろうとする郷土愛が紙面から伝わってきます。
 私もこの受賞記事で初めて「すげ笠」のことを知りました。