No.139 作曲家 今川節 2006(平成18)年3月号掲載


 福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第139回目は「作曲家 今川節」の話。

「雪の降る夜はたのしいペチカ ペチカ燃えろよ お話しましょ」

 誰もが子どもの時に口ずさんだ童謡「ペチカ」。
作詞は北原白秋、作曲山田耕作。
しかし"もう一つのペチカ"の存在を知る人は少ない。
白秋は「もう一つのペチカが好きだ」と称賛しています。
この「ペチカ」を作曲したのが福井県丸岡町出身の今川節氏です。

 今川氏は、小学高等科を卒業後、仕事をしながら、児童文学雑誌「赤い鳥」の音楽通信講座で作曲の勉強をしました。
今川は、北原白秋の詩が好きで、16歳の時に「ちょうちょう」に曲をつけ送ったところ、推奨作品となりました。
「雪の降る夜はたのしいペチカ」は今川の代表作品となり、昭和9年12月に流行歌として、東海林太郎の吹き込みでキングレコードから発売され、全国で歌われました。

 昭和8年には第2回音楽コンクールで今川作曲の交響曲「四季」が1位入賞になりました。
しかし、コンクールが終了して東京から戻ってすぐ肺を患い、昭和9年に25年の生涯を閉じました。
10年間の作曲生活から生み出された作品は約260曲に上り、北原白秋の詩に曲をつけたものは、「かやの実」、「さざなみ」、「月光曲」、「子供の村」、「この道」、「チロリ」など有名な曲が多数あります。

 毎日午後9時には時報として丸岡町内に「ペチカ」が流れています。
マツウラ本社は、この丸岡町に隣接していますので、この「ペチカ」の時報を聞くことが出来ます。