No.119 平成の平賀源内・酒井弥[みつる]理学博士 2002(平成14)年7月号掲載


 福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第119回目は「平成の平賀源内・酒井弥[みつる]理学博士」の話です。

 酒井博士は、昭和11(1936)年に福井県今立町で生まれ、大阪大学大学院理学研究科終了後、国費により米国留学を2年。
そのまま米カリフォルニア大学研究所に乞われ研究員として2年。
さらにカナダのエドモントンで8年余りの研究生活。
しかし清酒業を継ぐため実家の今立町へ戻ったものの「醸造には独創性は不要」と、あっさり廃業。
酒井理化学研究所を設立主宰し今日に。

 酒井博士は「理科系の物作りの原点は、論理性より直感力や閃きにある」と考えられる、ユニークな発想の研究家。
大学から有機合成が専門で、今では工業用の新素材から美容・健康・食品・家庭用品など幅広い研究があります。
特に、研究に使う材料やテーマで共通なのが、世の中から見向きもされなくなった、産業廃棄物。
科学の進歩がもたらした邪魔物を再生し、もう一度、世に送り出すことに意欲を燃やされています。

 同研究所が研究顧問として、30余社の大手企業と契約のテーマも、その殆どがリサイクルへの挑戦。
「ビールかすの再利用」や「生ごみ処理」などは、その好例。
最近モスクワ大学と「自動車エネルギー用の空気電池」研究も佳境に入ったとか。

 福井の世直し研究家「源内のリサイクル」の、酒井博士こそ、わが福井が誇る偉大な「宝」ですね。