No.117 日本一のベルベット製織 2002(平成14)年3月号掲載


 福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第117回目は「日本一のベルベット製織」のお話しです。

 威厳と気品ある美しさを持つ「織物の宝石」として、古く13世紀の王侯貴族達が、 こよなく愛した「織物の中の織物」ベルベット。

 ベルベットは、複雑な工程のためなかなか機械化されにくく、 工業品として工場生産されるようになったのが、技術開発が進んだ約100年前。
日本は約500年前に、南蛮文化到来と共にポルトガル人によって伝えられ、 ビロードと呼ばれ親しまれてきました。
国産品として生産されるようになったのは、昭和に入ってから。

 現在レーヨン糸や綿糸を原料として、織り上げているベルベット。
国内シェアの70%を占める、揚原織物工業の製品は、同社の先代社長が戦後、 欧州で人気の高かった、ベルベットの将来性に着目。
そして製織し50余年。

 こうして王侯貴族しか楽しめなかった高級織物ベルベットを、独自に開発した織技術と高度な加工技術によって、 気軽に愛用できる布地として、国内外へ出荷されています。
ベルベットはファッション素地を始め、宝石箱の内張りやインテリア関係の素材、 光学や精密機器をサポートする産業資材など、多岐な分野で活躍しています。
県下16社のトップに立ち、世界一の品質と数量を誇る「アゲハラ製品」。
一度、肌で感じられては――。