コーヒーブレイク
NASAより宇宙に近い町工場
“ロケットを作って宇宙へ飛ばしたい”−そんな夢を実現しようと奮闘する町工場があります。
過疎化が進む北海道赤平市にある株式会社植松電機です。
従業員20人、専門家もいない、まして国家予算のような莫大な資金もない。
それに挑戦したのが同社専務取締役の植松務氏です。
この会社はリサイクルで使うパワーショベルにつけるマグネットの製作と宇宙開発を行っています。
同社の作るロケットは全長20メートルの小型ロケットです。
植松氏の著書『NASAより宇宙に近い町工場』で「宇宙開発はあることを実現するための手段です。それは、“どうせ無理”という言葉をこの世からなくすことです。・・・多くの人があきらめてしまう夢を、“そんなことないよ!”と言って実現できれば、あきらめない人が一人でも増えるのではないかと思っているのです」とその志が紹介されています。
そして数年でロケットや人工衛星の開発に本当に成功しているのです。
更には世界で3つ目の無重力実験施設も完成させています。
この施設もまったくゼロからのスタートで、廃材を利用し20万円で製作しています。
他の実験施設の試験費用は高額ですが、同社の試験費用はタダに近い状況です。
お金がかからない施設なので世界中から研究者たちが実験に訪れ、NASA からもやってくるようになっています。
「回収はできています。お金ではなく、経験と知恵と人脈で。・・・この実験施設は僕らにものすごいチャンスを生んでくれているのです」と植松氏は述べています。
研究者の手助けをすることで、社員はノウハウを学び、また世界中の研究者と仲良くなっています。
ロケット開発を通じて、問題は環境ではなく、一人ひとりの心の変革が不可能を可能に出来ることを実証しています。
「どうせ無理の言葉をこの世からなくしたい」との植松氏の言葉に、共感するものです。
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