謹賀新年


 明けましておめでとうございます。 

 昨年の工作機械業界は、百年に一度と言われる歴史的な景気の急落に見舞われ、大変厳しい1年を過ごしました。
 日本工作機械工業会の集計によれば、昨年1月の単月受注は業界全体で約190億円と過去最低の受注額でスタートしました。その後、後半に向け徐々に500億円/月ペースに回復してきましたが、業界全体を下支えするだけの成約ボリュームには至っておりません。
 まさに需要蒸発と形容されたような急減ぶりでしたが、輸出依存率が高い日本の工作機械業界にとって超円高というマイナス材料も加わり、二重三重の逆風下、2009年の業界全体の受注額は2008年度比較でざっと三分の一という有様でした。

 そんな中、新開発機種として5軸複合マシニングセンタ CUBLEX シリーズの大型機 CUBLEX-63 を市場投入し、合わせて春と夏の本社オープンハウスを開催、イタリアミラノでのEMO2009並びに名古屋MECTショーに参加。またドイツに拠点を置く欧州の統括現法の新社屋完成披露レセプションを実施し、マツウラの最新技術を紹介いたしました。
 これらのイベントを通じて中長期的な視点に立った種蒔きアクションを取りながら比較的好調な産業に絞り込んだセールスキャンペーンを実施し、実需の掘り起こしと刈り込みを行い仕事量の確保に尽力いたしました。

 2010年は、9月に米国シカゴでIMTS2010、また10月には東京でJIMTOF2010と大きな展示会が開催されます。これら展示会に向けて更なる技術開発を進め、製品ラインナップの拡充と見直しを適時敢行し、コスト重要視モデルからより高付加価値モデルの市場投入を実行して、選択と集中を徹底していく所存です。

 「景気は気のもの待っていればいずれ戻る」という従来の景気循環説は既に通用せず、経済構造自体が大きく変革している現在は、如何に環境の変化に合わせた生き残り策を講じるかが企業命題と言えます。
 パナソニック株式会社の創業者松下幸之助氏の「不況もまたよし、不況は改善、発展への好機である」との言葉があります。
 マツウラも、本年創業75年を迎えますが、その歴史の中で様々な難局を乗り越えて参りました。この厳しい時期をこれから更に発展する好機と捉え、全社一丸となって努力して参ります。

 本年も引き続き、格別のお引き立てを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


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