コーヒーブレイク
世界を変えるデザイン
「世界を変えるデザイン モノづくりに夢がある」（英治出版）という翻訳本を手にしました。
この本はクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館で2007年5月に開催された「残りの90％のためのデザイン（Design for the Other 90%）」展に出品されたデザインを紹介しています。
イントロダクションで、
「世界の全人口65億人のうち、90％にあたる58億人は、私たちの多くにとって当たり前の製品やサービスに、まったくといいほど縁がない。
この残りの90％の人々の生活を良くするには、何が必要なのだろうか。思いだけでは、何も変わらない。お金の援助も、それだけでは不十分。
実際に人々のライフスタイルを改善する、具体的な“モノ（製品）”が必要なのだ」
とあります。
この本では、世界中で行なわれている、そんな“モノづくり”の取り組みが紹介されているので一例を上げます。
- 竹製足踏みポンプ
人力足踏み式ポンプ。農作業に使う地下水の汲み上げに使
用。
- ライフストロー
どんな水でも飲み水に変える携帯用浄水機。
- Ｑドラム
ドーナツ形状の容器に水を入れ、中心の穴にロープを通して
引っ張って水を運ぶ。
- パーマネント
殺虫剤加工をした蚊帳でマラリヤを防止。
- トウガラシ・フェンス
野生のゾウから畑を守るトウガラシ油とエンジングリスを浸した麻
のロープで作ったフェンス。
現地で一緒に生活しないと創造できないものばかりで、これらの製品を使って生活している人々の喜ぶ顔が紹介されています。
“モノづくり”に携わる者として、“その製品を使った人が喜び幸せになる”との原点を思い出させる本です。
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