会長 松浦 正則


【ドイツの国際自動車ショー】

 今回のEMOショー(欧州工作機械見本市)に先だってフランクフルト(独)で開催された自動車見本市を見て参りました。
 まず驚いたのは大変な入場者・見学者で、その中でも幼い子供連れが多く、まるでピクニックに来ているような感じでした。
 子供にとっても、大人にとっても日頃は遠くから眺めていた夢の車に自由に触られるので、一日中楽しんでいる様でした。
 その展示を観るには、何しろ私より背丈が大きな人達が城壁の様に立ち並んでおり、その人垣の間から垣間見る次第で立ち止まることは出来ません。
 特にダイムラーベンツとBMWは独立館を持ち、いたれりつくせりの展示でコンセプトカーを始め、これから売り出す車を、自由に乗り降り出来ました。
 家族で真っ赤なワゴン車に乗り込んで、その感触にそれぞれが自分の感触や主張をしている様は、微笑ましく、欧州の人、特にドイツ人の車好きを改めて認識させられました。

 カスタムカーを展示している小間に立ち寄った時でした。そのボディーが炭素繊維で作られ、その持っているしま模様の素地を、極限まで引き出したデザインについ引き込まれ、ボディーの感触を試していた時、実際に運転席に座って見てほしいと言われ、びっくり。
 すかさず価格を聞いたら1台100万ユーロ(1億3千万円)ですでに年間25台の生産計画から24台が売れており、これが最後の1台なので如何ですかと勧められ当惑しました。

 それにしても日本と違って懐が深く、想像も出来ない様なカスタマーベースを持っている上、常に性能・機能を高めた車作りをしている欧州のメーカーに敬意を表した次第です。

 今回の見本市を見て、自動車好きな人が多く、昼食も取る暇がない程の人だかりに、その人たちが自動車産業にとっては素晴らしい応援団となって常に前向きになっているメーカーに力を与えてくれているのは羨ましく、心強い限りです。


前画面へ戻る