会長 松浦 正則


【GDP世界第2位に異変】

 4月末、2泊3日で中国へ行き、4兆元の財政投資の運用と効果について自分の足と目と耳で確かめる機会を得ました。
丁度第11回中国国際工作機械展覧会が開催されており、新しい展示場で、最新の中国製工作機械を見て、 格段の進歩した大型の工作機械に驚いた次第です。

 かねてより、中国メーカーのキャッチアップについて日本で取り沙汰され、最近中国勢の力の伸びは、大変なものがあると聞かされていました。
北京オリンピックを無事終了したことで中国は大変な自信を持った様で、全ての分野で中国人の手でやり遂げる意気込みが表れており、
完成品の購入よりも、ノックダウンや技術移転方式でしか購入されにくくなっている様です。
町並みもきれいになり、天安門広場の混雑ぶりやレストランでの繁盛ぶりを見ても力強さを肌で感じました。
日本のメディアの情報による混乱した状況は無く、今や外貨準備高でも財務証券保有高でも我国を抜き、内需拡大が順調に伸びている様です。
夕食を共にした親友から「中国の自動車販売台数が3月だけでも100万台を超えた」と説明され驚きました。
中国政府の政策企画から実行までのスピードには世界はついていけず、今後10年間は先を走り続けるだろう。
その実行責任者の中国官僚は、米国東海岸のIBリーグのハーバード大学、イェール大学等を卒業しており、 学友として逸早く緊密な情報交換をしている様で、その情報によりサブプライム等の影響を受けておらず、そのことが自信に繋がっている様です。

 特にサブプライム等債務の証券化は、米国は勿論ヨーロッパの国々も多大な影響を受けており、それを公表すれば、 その損失の大きさから責任を取らされるとの思いが銀行関係者を不信にし、銀行間取引が滞り、その結果経済が停滞し大変な影響が出ています。
それに比べて中国の落ち着き振りは異様に思えてなりません。
親友は別れ際に「GDP世界第2位からすべり落ちる日本の将来をどうするのか。 今すぐにでも国をあげて考え実行せねばなりません。 私はその事に注力し、一人でも多くの人に伝え、考え、行動を起こして戴きたいのです。 松浦さん、貴方も考えておいて下さい」と言われたことが、心の中にずっしりと重い言葉でした。


前画面へ戻る