RC240多軸複合工作機械の高度化技術に関する研究分科会を開催


 機械学会が主催するRC240多軸複合機械の高度化技術に関する分科会が2月6日(金)にマツウラ本社で開催され、大学や企業関係者60名の参加がありました。
 機械学会では、研究協力事業として、大学・研究所の研究者と産業界の技術者が協力して、種々の技術問題を解決するための研究組合的プロジェクトが進められており、200件以上の分科会が設置されています。
 今回のRC240分科会もこのプロジェクトの一つです。活動目的は、「多軸複合工作機械の性能向上に対する産業界の期待が高く、革新的な高生産性が求められている。革新的な多軸複合工作機械を創出するための新しい設計技術、製造技術、制御技術、評価技術、ならびに利用技術を確立するための研究開発に取組むこと」です。

 慶応義塾大学教授の青山藤詞郎主査の挨拶で始まり、松浦勝俊社長より、マツウラの事業内容を紹介しました。
 引続き、取締役技術本部長天谷浩一より「次世代金属造形複合加工機の開発における最新技術と技術課題」と題して、最新の金型生産に関する情報と新たに取組んでいる部品製造に関する最新技術を紹介しました。

▲分科会会場▲富山大学教授 森田 昇 氏▲東京大学特任講師  小泉 憲裕 氏


最新技術の紹介

○説明1「単結晶シリコンのナノスケール加工機」
富山大学 教授 森田 昇 氏
    
 走査型プローブ顕微鏡の一種である摩擦力顕微鏡(FFM)機工によるナノスケール(1ナノメートル=10-9メートル)の機械加工に関する研究が説明されました。
 四角錘状のダイヤモンド切れ刃を用い幅283ナノメータ、深さ115ナノメータの溝加工実例が紹介されました。


○説明2 「超音波によるキャビテーションを用いた加工システム」
 東京大学 特任講師 小泉 憲裕 氏
    
 結石を超音波のキャビテーションを用いて粉砕する加工と、呼吸や心拍により患部の結石の動きを補正し正確な加工が行なえるシステムが説明されました。
 移動する結石の画像追跡手法の実験と結石に見立てた石膏による加工実験が紹介され、その有効性が示されました。


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