会長 松浦 正則


【ブランド化するニューヨーク】

 今回シカゴで開催された(IMTS)国際製造技術展の為、米国を訪れました。
 出発前はサブプライム問題や大統領選挙の行方、そして石油の高騰による諸物価の大幅な値上げでGDPの70%を占める中間層では収入が上がらず、どことなく暗く沈みつつある状況かなと心配してニューヨークを訪問。
 わずか2日間でしたが、ウォール街のあるダウンタウンは大混乱の状態で先が見えません。株価も大幅に上下降を繰返しているのに一般大衆は全く無関心。しかし、ミッドタウンからセントラルパークにわたるマジソン5番街、6番街、7番街は人で溢れかえっているのに驚きました。
 友人に尋ねると、今やユーロ高により欧州とロシアのお金持ちが続々と来ており、ホテルも満杯、高級レストランも予約で一杯です。

 それにしてもこの賑わいは何故と友人に質問すると、ニューヨークそのものがブランド化しているとのことです。
 “Only One”指向、例えばオーケストラ等クラシック業界のメッカ、カーネギホールやリンカンセンターでは世界のトップクラスの演奏会を聞くことが出来、ミュージカルやオペラも世界一が揃っている。
 ファッションについても今やパリやミラノよりもニューヨークファッションが最先端です。多民族国家としてのバラエティにとんだ感性から生まれるファションは、頭のてっぺんから足の先まで活き活きとした装いを見せているのも大きな魅力でしょう。
 また世界各国の最高の料理を味わうことも出来ます。

 世界一を見る、味わうことが出来るニューヨークは大きく様変わりしており、米国の景気に関係なく賑わっている状況は、まるで別世界の様でした。
 要は世界に一つしかない物や条件を揃えれば世界から人が集まり、大変な賑わいを見せることが出来ると言う良いお手本です。
 日本の街づくりも、ニューヨークを見習い、アジア各国は勿論、世界の人々に日本独自の文化と安全で安心な“癒しの里”として愛される街づくりを積極的に進めようではありませんか。


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