会長 松浦 正則


【日本ブランドを支えるもの】

 2月下旬、東アジアのユーザー訪問の為にシンガポールを訪れ35℃の真夏日を体験、日本との温度差にいささか閉口しました。
翌日朝から廻るにつれて余りにもこの国の変貌振りには驚かされました。
ゴルフ場を無くして、コンドミニアムやホテルを増設、その上カジノを建設して華僑中心の金融センターや保養センターの機能を持った都市国家を 広く中東の金持ちを当てにした街づくりを急ピッチに進めているのです。
その為に、歪みも出ており、某会社の社長が 「カジノ建設を急ぐ余り、我が社の材料や製品運送のトラック運転手が不足している為、毎日運送会社と話し合いながら、相手に合わせて仕事をしている有り様です」と苦笑しておられました。

 そんな話の中で、こんな大変うれしい話を聞かされました。

 「私の秘書が、この正月休暇に選んだのは、なんと東京ディズニーランドでした。 その秘書から改めて日本の良さを知らされたと言われました。 先ずチケット売り場で一列に整然と並び、決して中国人みたいに我れ先きにと殺到せず、又パレードの時には、 誰の号令も無しに前列の人から座り後ろで見ている人々にも充分に楽しめる様に自然に体制が出来上がるのに驚き、 日本人の持っている資質の高さに感動したそうです。 そしてとどめは、真夜中に起きて見た交差点の風景でした。 全く人がいない状態でありながら赤信号の時に必ず停止して待ち、緑の信号で走り出す。 そのルールを守るドライバーのマナーに感動。 シンガポールなら、人がいなければ信号無視して走りだすことが多いでしょう。 私は、町がきれいで有名ブランド商品の本物が安心して買えることや、日本や各国のおいしい料理を味わえる、 安全で安心できる日本に是非再度行きたいと言われ、改めて“日本"に誇りを持たされた想いだ」と語ってくれました。

 私たちにとって極当たり前のことであり、まだ譲り合う精神を持ち合わせた日本人、 その生き様が世界の人達に感動を与える事実に、誇りを持ち、世界から歓迎される国家を目指して行きたいと強く思った次第です。


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