会長 松浦 正則


【インドの熱い風】

 恒例の福井県機械工業協同組合の海外視察旅行は、最近成長著しいBRIScの一角を占めるインドを訪問しました。
インドの人口11億人弱、面積は日本の9倍(328万平方km)、GDPは日本の1/10の6,859億ドルです。
1日1ドル以下で暮らしている人達が3.5億人強も占めており、その生活は日本の終戦直後の焼跡に建てられたのに似たトタン屋根のバラック街にひしめき合って暮らしているのです。

 インドは1947年独立国家として歩み始めました。
1990年代にインドから米国へ留学した学生が、IT産業の基地であるシリコンバレーで多大な成果を上げ、成功を勝ち取りました。
その留学生達が、インドへ里帰りしてソフト会社を創業しインド情報産業が急成長したのです。
その最も大きなインドのシリコンバレーがバンガロールで、今や年率9%の経済成長を遂げています。
これにより中間層が広がり、家電や自動車産等の消費が急速に進み、その需要に答える為に日本のものづくり産業に強烈なラブコールが送られているのです。
人口構成が正三角形であり、25才以下の人口が5.5億を超えるこの国は確実な成長が約束されており、日本が将来夢をかける大国、そして市場であることは間違ありません。
その上、大変親日的であるのも心強い限りです。

 また大学・大学院の学生が246万人、その内29万人弱が理工系です。
ちなみにインド工科大学の競争倍率(入学)は30倍と言われ、合格と同時にハイレベルの生活が約束されるので、若者にとって憧れの大学となっています。
このように理工系学生が年々増えていることは、インドの将来を支える原動力です。

 わずか6日間の旅程でしたが、到着初日から最下層の暮らしぶり等、この国の実態を自分の五感で体験したことが大変良かったと参加者の声でした。
最後に今度の視察でお世話になりました駐インド山田公使、横手事務官、駐インドJETRO横田所長、ヒーローホンダのエグチ氏、 NPOインドセンター所長ビバウ・カント・ウパディアーエ氏そして関係者の皆様に心から御礼申し上げます。


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