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逆工学

 「工学」を辞書で検索すると「基礎的科学を工業生産に応用するための応用的科学技術の総称」とあります。
それに対し、工学に逆を付けた「逆工学」とは、東海大学理学部物理学科の藤岡知夫教授の講演会で初めて聞いた言葉で、 「出来上がっているものを壊す、または、補修・延命する技術」との意味です。
藤岡先生は「福井県では、多数設置されている原子炉を廃炉するビジネスが必要になります。 建物や原子炉を廃棄する作業でレーザー光は、環境また効率化の上で重要です」とのことでした。
マツウラは、ものづくりに注力してきましたが、ものを壊すとの考えがない為に、「逆工学」とは、大変衝撃的な言葉でした。
海外ではビルを解体する時にダイナマイトなどで一瞬に破壊する光景を見ますが、日本では重機での作業が殆どです。
この研究は、レーザ光を使い鉄筋コンクリートや30p以上のステンレス等の切断を行なうもの。
構造物だけでなく、災害時の救出作業にも使用出来るなど、非常に応用分野の広い技術です。

 実験室レベルの技術は確立しており、今後実用化に向けて超高性能高出力レーザCOILの開発や搬送用のロボットや車両などの開発が必要です。
「逆工学」を使ってものを壊す「逆産業」の市場は今後大きく期待され、例えば、現在58基の原子炉、廃棄建造物や補修建造物、また使用済み橋梁などが考えられます。
ものづくりで世界をリードしてきた日本が、今度はものを壊す「逆産業」で注目を集める日も、遠くないかもしれません。

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